Linux Column:N+IのLinuxはセキュリティに注目!
【国内記事】 | 2001.06.12 |
始めまして。初心者に優しいIT情報提供サイト「びぎねっと」を運営する宮原です。Linuxの普及促進を目指し,日々活動を繰り広げている私ですが,Linuxギョーカイで起きていることを色々と紹介し,あるいは批評していきたいと思います。これからよろしくお願いします。
さて,第1回目となる今回は,先週,幕張メッセで開催された「Networld+Interop Tokyo 2001」に行ってきたときの話にしよう。メインの仕事は,会場内のとあるステージで,「Linuxの現状」について30分ほど話をするということだったのだが,当然それ以外に最近の業界動向をきちんと把握しておかねばなるまい,ということで,ステージの出番の前後の空き時間を利用して会場内をブラブラとしてみた。
まず思ったのは,「それにしても,N+Iは随分と雰囲気が変わったなぁ」ということだ。
正確には覚えていないのだが,数年前に来た時には「えらい静かな展示会」だと思った記憶がある。会場内の通路も人も少なく,広々としていて,相互接続実験を色々なメーカー間で行うような催し物だったような気がする。しかし今年は,特に各展示ブースとも派手なプレゼンテーション,沢山配置されたコンパニオンの女性たち,沢山の来場者と非常に華やかな展示会になった気がする。
しかし大きくなったとはいえ,「LinuxWorld」などは,まだまだ技術的なものが中心で,一言で言ってしまえば「まだまだ地味」という感じだ。
さて,そんな会場内で多く目を引いたのがセキュリティ関係の展示だ。昨今のネットワークセキュリティに対しての関心の高さは驚くものがある。先日,私の会社(びぎねっと)が行ったセミナーでのアンケートでも「希望するセミナーのテーマ」としてセキュリティに関しての要望が大変多く寄せられていた。
当然,こういう会場では,VPNやIPSecなどいくつものソリューションが展示されているわけだが,私が注目している会社が出展していたので紹介したい。
それは「トリップワイヤ・ジャパン」だ。
トリップワイヤ・ジャパンは,暗号技術のような「セキュリティを守ります」というソフトではなく,サーバ上のファイルの改ざんなどをチェックし,もし改ざんと思われる変更があった場合には通知してくれると言うソフトだ。
もちろん,改ざんそのものから守ってくれるものではないが,現在のように非常に沢山のファイルから構成されているサーバのファイル改ざんを手作業で確認することは現実的には不可能であり,これからの特にインターネットサーバには必ず必要となる機能といえるのではないだろうか?
セキュリティは奥が深く,1つのソリューションを導入したとしても別のルートからの侵入を許してしまえばそのソリューションは無力だ。Linuxは,特にオープンソース開発のパワーでセキュリティに強い,と一般には言われているが,それも正しいソリューションの導入と正しい運用で実現できるもの。
「怨霊退散」のお札じゃないんだから,その辺りの知識について理解を深めていくと共に,より安全で使いやすいソリューションが,いまのネットワークには必要になる。
そうした意味でもトリップワイヤ・ジャパンの技術は注目に値するだろう。
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