NEC,ベリタス,オラクルの3社が提携,ヘテロジニアスなSAN環境の統合を可能に
【国内記事】 | 2001.06.13 |
NEC,ベリタスソフトウェア,日本オラクルの3社は6月13日,日本国内における包括的なストレージソリューションの実現を目的とした提携に合意したことを発表した。
今回の提携内容には,Windows,UNIX,メインフレームなど,プラットフォームに依存しない環境での各社製品の連携を実現することをはじめ,拡張性や可用性,相互運用性を向上させるための仕組みの共同開発,「iStorageコンピテンスセンター」の7月設立や共同サポート/プロモーションの提供などが含まれる。
握手するベリタスの上村社長,ブルームCEO,NECの小林常務,日本オラクルの新宅社長(写真左より) |
この提携により3社は,NECのストレージ製品「iStorage」とベリタスのストレージ管理ソフトウェア製品群,および日本オラクルのRDBMS製品「Oracle9i」を連携した包括的なストレージソリューションを提供。この組み合わせにより,ヘテロジニアスなストレージエリアネットワーク(SAN)環境を一元的に運用管理できる仕組みを実現できるという。
具体的には,NECのiStorage上で,ベリタスのストレージ管理ソフトウェア「Volume Manager」「FastMirrorResync」「Volume Replicator」などの製品が効果的に機能するための動作検証を両社で行うほか,日本オラクルのデータベース製品とNECのレプリケーションソフトウェア「DynamicDataReplication」および「RemoteDataReplication」の連携に関し,OSCP(Oracle Storage Compatibility Program)認定プログラムを共同で実施するという。
またNECは,ベンダーごとに独自に実現されるストレージのインタフェースを統合することを目的としたベリタスの「Data Availability戦略」に賛同し,ベリタスの「SANPoint Control」や「NetBackup」などと,より緊密に連携させるという。これによりSANの迅速な実現が可能になるという。またオラクルの新しいデータベース製品「Oracle9i」の機能とNECのiStorageを連携することで,高い信頼性と可用性,パフォーマンスを実現することができるとしている。
NECはさらに,同社内にiStorageコンピテンスセンターを設立し,3社の製品/サービスの連携や,信頼性・可用性の検証,ソリューションの開発・デモなどを行って行くほか,3社共同によるセミナーの開催や広告の展開,営業/マーケティング活動などを行っていくという。そのほか3社は,障害の原因追及や復旧に向けた24時間×365日の保守サポート体制を確立し,ユーザーが安心して利用できるストレージソリューションを提供する計画だ。
同提携の発表にあたりNECソリューションズの執行役員常務,小林一彦氏は,「ストレージ管理ソフトナンバーワンのベリタスと,データベースソフトのナンバーワンのオラクル,そして業界最高レベルの性能を誇るわれわれのiStorageが連携することで,最高のSANソリューションを提供することが可能だ」と言う。
「現在,多くのベンダーがストレージ関連の提携を行っているが,その多くはポイントツーポイントのもの。われわれの提携は,トータルなソリューションを開発し提供することが大きな差別化になる」(小林氏)
また,同席した米ベリタスソフトウェアの社長兼CEO,ゲイリー・ブルーム氏,ベリタスソフトウェアの代表取締役社長,上村美喜男氏,日本オラクルの代表取締役社長,新宅正明氏は,それぞれ以下の通りコメントした。
「これまでストレージ製品は,さまざまなベンダーの製品を購入し,導入して稼働させるのはユーザーの責任だった。これからは関連ベンダーが導入してすぐに稼働するソリューションを責任を持って提供しなければならない。その意味でこの提携は重要だ」(ブルーム氏)
「ネットワークだけ,データベースだけ,ストレージだけでも複雑なシステムを,ユーザーだけで組み合わせ,SANを実現することはもはや不可能に近い。この提携は,ユーザーにとって必要不可欠なものになるだろう」(上村氏)
「NECとは,サーバ製品とわれわれのデータベース製品の組み合わせで15年以上のパートナーシップがある。最新製品であるOracle9iを市場に投入するにあたり,ストレージ市場の拡大に向けNECとさらに協力していきたい。またベリタス製品もワールドワイドで導入しており,3社の組み合わせにより最高レベルのストレージソリューションを提供できる」(新宅氏)
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[山下竜大 ,ITmedia]