VERITAS VISION 2001 JAPAN基調講演:「24時間×365日×永遠の可用性を実現するのがミッション」としたベリタスのブルームCEO

【国内記事】 2001.06.13

 ベリタスソフトウェアは6月13日,「21世紀のデータストレージマネージメントの未来がここにある」をテーマとした同社のユーザーカンファレンス「VERITAS VISION 2001 JAPAN」を都内ホテルで開催した。同カンファレンスは,明日14日まで開催されている。

講演する米ベリタスのゲイリー・ブルームCEO。リモートマウスの調子が悪く少し不機嫌だった

 カンファレンスの初日の基調講演には,米ベリタスソフトウェアの社長兼CEO(最高経営責任者),ゲイリー・ブルーム氏が登場し,同社のビジネス戦略について明らかにした。同氏は冒頭,「今年は,日本をはじめ,韓国,中国,インドなどアジア太平洋地域にフォーカスする」と言う。

「日本では,NEC,日立製作所,富士通などのパートナーと協力し,ストレージソリューションを強化する。また,2000年に75人だった日本のスタッフを,150人以上に増員する。これによりベリタスブランドを日本市場にも浸透させたい」(ブルーム氏)

 次々と繰り出される日本びいきの発言は,リップサービスととれなくもないが,14年間米オラクルのラリー・エリソンCEOの元で働き,同氏の日本向け戦略を見てきたブルーム氏がエリソン氏に習い日本びいきになったとしても不思議はない。

 同氏はさらに,「ある意味アジア市場は,米国よりも進んでいるといえるだろう」とも話している。

 アジアは米国に比べ,IT後進国であるために,いきなりブロードバンドネットワークを実現できる。また日本のように,優先環境では遅れていても,ワイヤレス市場で突出した環境を実現している例もある。また米国とは,違った(タイムマシン経営による)ドットコム文化が広がったために,米国ほど深刻なITバブルは起きていない。

 同氏は,こうした状況を冷静に分析した結果,「アジア市場は最重要」という結果に至ったという。

「ブロードバンドやワイヤレス環境の広がりにより,コンテンツはどんどんリッチになっている。このリッチなコンテンツを管理するためのストレージと管理環境に対するニーズもどんどん高まっている」(ブルーム氏)

e-ビジネスはサービスに

 さらに同氏は,今後のe-ビジネスはサービスレベルの向上が重要になるという。

「e-ビジネスで重要なのは,サービスの信頼性,可用性,そして相互運用性だ。ただし,すべての企業に100%の可用性が必要なわけではない」(ブルーム氏)

 同氏は,マクドナルド,ユナイテッド航空,イーベイなどのサイトを例に挙げながら,e-ビジネスにおけるサービスごとの重要性を紹介した。

「マクドナルドのサイトがダウンしても(マクドナルドの店舗でハンバーガーを購入することは可能で)大きな問題ではない。ユナイテッド航空のサイトがダウンしても飛行機に乗ることはできるがチケット購入などが不便になる。イーベイのサイトがダウンしてしまうとビジネスそのものが成り立たない」(ブルーム氏)

 しかし今後,マクドナルドのサイトも重要なビジネスに発展する可能性があり,程度の違いはあれサービスが重要であることには違いないと同氏。ベリタスのソリユーションを利用することで,システム構成を変更することなく,e-ビジネスの運用に必要な,データ管理の可用性,信頼性,パフォーマンス,そして相互運用性を実現するソリューションを,あらゆるレベルで提供することができるという。

 また,同社のソリューションにより,データ管理コストを大幅に削減することも可能になる。

「米オラクルは,ベリタスのソリューションの導入により,年間450万ドルのデータ管理コストを削減した」(ブルーム氏)

 4年前にオラクルがベリタスのソリューションを導入したとき,担当の役員だったのがブルーム氏だったことは有名な話だ。ただし,「その当時,自分がベリタスのCEOになるなんて夢にも思わなかった(笑)」と同氏。

「企業のデータは,企業にとって最も重要な資産であり,どんな手段を使ってでも守らなければならない。われわれのミッションは,24時間×365日×永遠(Forever)の可用性を実現するソリューションを提供することだ」(ブルーム氏)

関連リンク

▼ベリタスソフトウェア

▼VERITAS VISION 2001 JAPANの公式Webサイト

[山下竜大 ,ITmedia]