Linux Column:Linuxの業務システム分野での期待

【国内記事】 2001.06.26

 先週,日本オラクルの主催による「Oracle Linux Summit 2001」が開催されたので,参加してきた。といっても,ちょっと仕事が立て込んでしまっていたのでフル参加は出来ず,最後のセッションにしか参加することが出来なかった。午前中のセッションについては記事でフォロー出来たので,こういう時は実に助かる。

 さて,最後のセッションは,1つはオラクルとミラクル・リナックスのビジネス戦略について,もう1つはLinuxビジネスの最前線といった感じのリレー・ショートプレゼンテーションだった。どちらに参加するかかなり迷ったが,そういえば最近の戦略をきちんと聞いていなかったな,と思い前者に参加する事に……。

 演壇に立った藤城 薫氏(日本オラクル製品本部ディレクター兼ミラクル・リナックス取締役製品本部長)も矢野 広一氏(ミラクル・リナックス取締役副社長)も,どちらも元上司というのも,なかなか不思議な感じだ。

 ただ,私が同社でLinuxビジネスに関わっていた時期は萌芽期であり,例えばペンギンの着ぐるみを着てみたりしてアピールしてもよかったような時期だった。しかし,いまや業務システムに如何にLinuxを取り込むかを皆が真剣に検討している時期であり,例えばセミナー終了後に行われた懇親会の顔ぶれなども含めて,エンタープライズシステムでのLinux利用というのがリアリティを帯びてきた,という観はある。

 実際,私は懇親会に参加するつもりは無かったのでデレデレとしたポロシャツの格好で出て行ったのだが,急遽参加する事になってしまい,周りを見回すとスーツ,スーツ,スーツと,私一人だけ完全に浮いてしまっていた。こんなところにも,一つ変化を見出すことが出来たような気がする。

 さて,そうは言っても気になったのは,先のセッションでの矢野氏の発言の中で同社のユーザー登録時のアンケートで,「使用しているマシンは?」という問いの答えで多いのが「自作」「ノーブランド」「某直販メーカー製サーバマシン」といったものだそうだ。

 Windowsの市場とは正反対なのだ。Linuxらしいといえばらしいが,反面これまでのビジネスモデルをそのまま持ち込むスタイルでは市場性がない,収益が上がらないとメーカー,ベンダーが食わず嫌いになってしまわないか?

 ソフトがいいだけでは市場は広がらない。マーケットプレイヤーが気持ちよくそこに居られることもまた重要な面もあるだけに,新しいマーケットというのは難しく,また面白いのだろう。

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▼Oracle Linux Summit 2001レポート

関連リンク

▼日本オラクル

[宮原 徹びぎねっと]