「Alphaチップの遺伝子を残す」とするコンパック
| 【国内記事】 | 2001.07.10 |
コンパックコンピュータは7月10日,都内のホテルで記者会見を開き,ギガヘルツ64ビットサーバを発表すると同時に,6月25日に明らかにされたAlphaサーバのItaniumへの移行を含めたインテルとの戦略的技術提携と,共同マーケティングに関して改めて説明を行った。
同社のエンタープライズビジネス統括本部アルファ製品本部長の市原隆保氏は,「IDCの予測によれば,2004年に32ビットと64ビットサーバの利用数が拮抗した状態になり,2008年には80%が64ビットサーバに移行すると予想されており,われわれのItanium移行プランもそれに沿ったものになっている」と話す。
両社は,2004年までにTru64 UNIX,OpenVMSを次世代のItaniumベースの64ビットアーキテクチャに移植するという。コンパックは向こう3年間に渡り,EV68,EV7プロセッサの開発を継続し,販売は2008年まで続ける。そして,販売修了後も少なくとも5年間はサポートを継続するとしている。
カスタマーは自らのペースでIPF(Itanium Processor Family)ベースサーバへの移行を判断できるが,コンパックは,自社としての移行へのロードマップを描いている。
同社は,まずは,2004年からカスタマーがAlphaとItaniumのどちらかに移行するか,あるいは両方が混在する環境を選択できるように移行環境を整えるという。
同社のロードマップとしては,3つの段階が想定されている。最初は,Alphaチップの使用を継続するというステップ。この間,カスタマーは特にItaniumへの移行に対するアクションは起こさない。Alphaチップへのサポートがなくなるわけではないので,これも可能になる。
次のステップは,AlphaチップとIPFのどちらか,あるいは混在する環境をカスタマーが選択するというもの。AlphaチップのノードとIPFのノードは完全に隔離できるため,問題なく実現できるという。コンパックとしては,この期間を2004年〜2008年と考えている。
最後は,IPF環境への移行。カスタマーがこれを選択すれば,Alphaチップ環境からIPFの環境に完全に移り変わることになる。
また,ハードウェアが販売を継続している間はOSの開発を続けるとしているため,2008年まで同社はOSの機能向上を行っていくとしている。
今回の協力関係の締結について,インテルとコンパックの思惑を市原氏に聞いてみた。同氏によれば,インテルは64ビットサーバ全盛の時代がやって来るのに備え,32ビットの分野で同社が持つ圧倒的な地位を,64ビットの世界でも継続して守りたいという思いがあったようだ。そのために,現時点で既に質の高い64ビットプロセッサとして知られているコンパックのAlphaチップの技術を取り込む必要があった。
一方で,コンパックとしては,Alphaチップの品質には自信も愛着も持っているという。しかし,インテルが将来64ビットプロセッサの世界で過激な価格戦争を仕掛けてくるのは容易に想像でき,そうなったら,例えAlphaチップの品質が高いとしても勝ち目はないという。それならば,まだ32ビットサーバが主流の今,協力関係を結び,質の高い64ビットサーバを共に開発することに共存の道を探ったという。Alphaチップの開発エンジニアがItaniumの開発チームに合流することで,「Alphaの遺伝子を確実に後世に残せる」(市原氏)としている。
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[怒賀新也 ,ITmedia]
