ケンブリッジの買収を完了したノベルが目指すのは「ソリューションカンパニー」

【国内記事】 2001.07.12

 今年3月に発表された米ノベルによるケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(ケンブリッジ)の買収が,7月10日に開催されたケンブリッジの特別株主総会で正式に承認された。

 これに伴い,ケンブリッジの社長兼CEOを務めていたジャック・メスマン氏がノベルの新CEOに就任した。前CEOのエリック・シュミット氏は,引き続きノベルの取締役会長にとどまる。

 今後,ケンブリッジはその名前を残しながら,ノベルの子会社としてシステムインテグレーションやアプリケーションのカスタマイズ,コンサルティングサービスを提供していく。既存のノベルの顧客だけでなく,ノベル以外のソリューションを採用している顧客に対するサービス提供も継続される。

 買収作業の完了を受けて7月11日に行われたテレカンファレンスでは,新CEOのメスマン氏が「顧客はプロダクトではなく,ソリューションを求めている。ケンブリッジの買収によって,われわれは新しいソリューション企業となる」と宣言した。

 メスマン氏は,ノベルがこれまで提供してきたNDS eDirectory,DirXMLといったディレクトリ製品,キャッシュサーバ,さらに先日発表されたばかりのセキュリティ製品「iChain」や情報管理ソフトウェアの「iFolder」といったプロダクトに,ケンブリッジの持つコンサルティング力やノウハウを組み合わせることで,e-ビジネスソリューションをフルサポートできると語った。

 さらに,企業の枠を超えて,顧客やサプライヤー,社員を安全にネットワークでつなぐという構想を改めて示し,新しいソリューション企業として生まれ変わる方針を,たびたび強調した。「ノベルとケンブリッジの組み合わせによって,eビジネスソリューションを推進する。これはまだ始まったばかりだ」(メスマン氏)

 メスマン氏によれば,複雑に入り組んだネットワーク環境におけるセキュリティソリューションやデスクトップ管理コスト削減のための製品,企業情報ポータルなどが強みになるという。ノベルは今後,「ネットワークビジネスのエキスパートとして,顧客のニーズに応じてe-ビジネスソリューションを提供する」(同氏)

 なお,この買収にともない,新たにケンブリッジの出身者から4名の地域担当プレジデントが任命された。日本担当プレジデントには吉田仁志氏が就任する。

関連リンク

▼ノベル

▼ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ

[高橋睦美 ,ITmedia]