iCan SPがxSP用スイート製品「iCan Provider Suite」を発表,日本企業では初めてKCCSが採用

【海外記事】 2001.07.10

 コンピュータ・アソシエイツ・インターナショナル(CA)がフロリダ州オーランドで開催中の「caworld 2001」カンファレンスで7月10日に,同社からスピンアウトしたxSP事業会社であるiCan SPが,xSPサービスマネージメントソリューション製品「iCan Provider Suite」を発表した。

 iCan Provider Suiteは,xSPビジネスに必要なすべての機能をパッケージしたスイート製品。データソースやアプリケーション,サービス,ネットワークの稼動状況を監視する「iCan Meter」,サービスレベルアグリーメント(SLA)を管理する「iCan Assure」,さまざまな課金ソリューションを実現する「iCan Bill」,新規顧客やアカウント情報を管理する「iCan Provision」,これらの4つの機能を統合的にWebベースで管理できる「iCan View」の5つの製品により構成される。

 同スイート製品を利用することでxSPは,部門別,ライン別のリソースコストを最適に管理するコストアロケーションが実現できるほか,サービスレベルを自動的にモニタリングできSLAを向上されることが可能という。これにより,コストを売上に変化させることが可能なプロフィットセンター化を実現することができるとしている。

 iCan SPでは,このiCan Provider Suiteを,アプリケーションサービスプロバイダー(ASP)やビジネスサービスプロバイダー(BSP),ネットワークサービスプロバイダー(NSP)をはじめ,大企業やグループ企業,系列企業が,企業内でさまざまなだービスを展開するインターナルコーポレートサービスプロバイダー(ICSP)など,さまざまなxSPをターゲットに販売していく計画という。

提供を発表するKCCSの佐々木節夫取締役とiCan SPのナンシー・リーCEO

 iCan SPのナンシー・リーCEO(最高経営責任者)は,「IT専門調査会社であるIDCの調査によれば,xSPの市場は現在の1150億ドルから,2004年には4000億ドルの市場に成長すると報告されている。われわれのソリューションは,このxSP市場で成功を目指すサービスプロバイダーにとって大きな助けになるだろう」と話している。

日本の1stユーザーはKCCS

 iCan SPはまた,京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が同日に,同社のソリューションを最初に導入する日本企業となることを明らかにした。KCCSは,今年の5月18日に,ワイヤレスデータセンター事業でCAと提携し,CAのソリューションを積極的に採用していくことも発表している

 この発表によりKCCSは,同社の次世代ワイヤレスデータセンターのマネージメントソリューションとしてiCan Provider Suiteを導入。同データセンター向けのプロビジョニングや請求書作成,サービスレベルの監視などの向上を目指すという。同スイートの導入にあたりKCCSは,同スイートの日本語化だけでなく機能まで含めたローカライズや販売もサポートしていくとしている。

 なお,海外ユーザーとしては,インターネットサービスプロバイダーの米DSL.netや欧州で中小規模ビジネス向けASPを展開するテルノア,香港のテレコム会社パシフィック・センチュリー・サイバー・ワークス(PCCW)とCAによるASPジョイントベンチャーであるソラー,BSPを展開するアウトタスクなどがiCan Provider Suiteを導入している。

関連リンク

▼iCan SP

▼京セラコミュニケーションシステム

▼コンピュータ・アソシエイツ・インターナショナル

[山下竜大 ,ITmedia]