マイクロソフト,ワイヤレス市場への本格的プロモーションを開始へ

【国内記事】 2001.07.18

 マイクロソフトは7月18日,都内の東京ビッグサイトで開催されている「EXPO COMM WIRELESS JAPAN 2001」の会場に設けられた同社のブースで,携帯端末からのワイヤレスインターネットアクセスを中心とする同社の取り組みに関し,本格的にプロモーションを開始した。「いつでもどこでもどんなデバイスからでもインターネット接続」を掲げ,最終的には.NET構想の要の1つとなる「HailStorm」(コードネーム)プラットフォーム構築を目指す同社が,いよいよ目に見える形でモーバイル分野でユーザーにアピールをし始めている。

マイクロソフトのブース。会場内にはWindows CEなどを搭載したモーバイルデバイスが多数展示されている

 ブース内のメインスクリーンでは,同社が目指すHailStormプラットフォームで,ユーザーがどんな利便性を享受できるかを説明するビデオ「スティーブマスタ−ズの災難」が紹介された。

 HailStormとは,同社が提供しているユーザー認証システム「Passport」によって個人を特定し,ユーザーに時や場所,デバイスにかかわらずパーソナルな形で,スケジュール表や文書などインターネット上のデータにアクセスする環境を提供するもので,XMLやSOAPなどの技術が前提となっている。米マイクロソフトは2001年の3月にHailStormを発表しており,その時点では,「対象はあくまでも個人ユーザー」としているが,「企業ユーザーは同時に個人ユーザー」という考えも持っているという。

 この日のビデオでは,出張に出かけたスティーブが,出張先の空港で携帯電話を自宅に置き忘れてしまったことに初めて気付く。

 慌てるスティーブに対し,空港のサービス担当職員は冷静に「スマートカードはお持ちですか?」と尋ねる。スティーブが「ええ,持っています」と答えると,サービス担当職員は「それなら大丈夫」と笑顔を見せた。

 サービス担当の空港職員は,レンタルの携帯電話を用意し,スティーブの認証カードをチェックインさせる。するとスティーブの個人情報が,サーバを通じてレンタル携帯電話にダウンロードされ,スティーブのいつもの携帯電話と同じものが出来あがるというわけだ。

 事なきを得たスティーブだが,今度は出張先でバイクと接触するというトラブルに見舞われる。スティーブは,道に倒れながらも,かかり付けのアンドレ女医に電話する。

 電話のやり取りが始まり,アンドレ女医がスティーブにIDを確認する。この時点で,アンドレ女医は,スティーブがサンフランシスコにいることや事故歴なども確認できている。アンドレ女医はさらに,スティーブが所属する保険会社から最適なものを紹介すると,「医療記録にアクセスしてもよろしいですか」とスティーブに尋ねる。それを基に,アンドレ女医は,スティーブの選択した保険が利用でき,現場から最も近い病院をスティーブに伝え,タクシーの手配まで行った。そのほか,電子決済サービスとも連動していることも紹介されている。

「スティーブマスタ−ズの災難」が流された会場。多数の人が集まった

 これらは,空港や病院,タクシー会社,保険会社などのあらゆる機関がインターネットで結ばれたシステムを利用してることが前提となっている。その大きなインフラに,個人認証を伴ったアクセスをすることで,ここまでパーソナルなやり取りがリアルタイムにできる。

 問題点としては,やはりセキュリティ。個人情報が本当に流出しないかどうかが懸念される。また,HailStormでは,Passportを認証システムとして利用することが前提となっており,ユーザーはマイクロソフトに個人情報を渡す必要がある。水や空気と同様にHailStormを広めたいとする同社の考え通りに進めば,マイクロソフトに膨大な個人情報が溜まることになり,米国のメディアなどにはそれを懸念する意見も多いようだ。

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[怒賀新也 ,ITmedia]