日本BEAシステムズがWebサービスに対応したWebLogic Serverの新バージョンを発表

【国内記事】 2001.08.01

 日本BEAシステムズは8月1日,Webサービスに対応したWebアプリケーションサーバの最新バージョン「BEA WebLogic Server 6.1J」の出荷を,8月31日より開始することを発表した。

 BEAのWebLogic Serverは,Java 2 Enterprise Edition(J2EE)に完全準拠したWebアプリケーションサーバ製品。高いトランザクション処理をはじめ,拡張性,可用性,管理性,そしてセキュリティなどで,優れた性能を発揮するe-ビジネスプラットフォームを実現できる。

WebLogic Server 6.1Jの機能を紹介する米BEAのWebLogicエバンジェリスト,マイケル・スミスJr.氏

 最新バージョンでは,Javaにより企業アプリケーション統合(EAI)を実現するJCA(J2EE Connector Architecture)1.0をはじめ,Enterprise JavaBeans(EJB)2.0やJavaServer Pages(JSP)1.2,Servlet 2.3など,最新のJ2EE 1.3環境をサポートしている。また,パフォーマンスが向上されたほか,同社のTPモニター「BEA TUXEDO」との双方向の連携やEntity Beanのレプリケーションおよびキャッシングなど,数多くの機能が拡張されている。

 中でも最大の特徴といえるのがWebサービスへの対応だ。Webサービスは,XMLをベースに異なるアプリケーションやサービスの間の相互互換性を実現する新しいアプリケーション・ツー・アプリケーションのための仕組み。WebLogic Server 6.1Jを利用することで,既存のJ2EEアプリケーションを利用して,B2BやEAI,EDIなど,容易なe-ビジネスアプリケーション統合を実現することが可能という。

 WebLogic Server 6.1Jで実現されるWebサービスは,SOAP,UDDI,WSDLにより実現されるもの。同社では,これを「シンプルWebサービス」と呼び,RPCまたはメッセージスタイルで,トランザクションレスのポイント・ツー・ポイントのサービスを提供することが可能。これにより例えば,金融機関が利用者に残高照会などのサービスをダイナミックに提供することができるという。

 同社はさらに,このシンプルWebサービスに,トランザクションの機能やセキュリティを搭載した「ビジネスWebサービス」を実現する仕組みも提供する計画だ。ビジネスWebサービスでは,同社がIBMやマイクロソフトと標準化を進めるBTP(ビジネス・トランザクション・プロトコル)やebXMLをサポートすることで,ビジネスプロセスまでを考慮したWebサービスを実現することが可能になる。

WebLogic Integration 2.0を紹介する米BEAのe-コマースインテグレーション(ECI)事業部シニアマネジャー,スティーブン・ステネット氏

 このビジネスWebサービスの仕組みは,米国で2001年第2四半期にリリースされる予定の「WebLogic Integration 2.0」でサポートされる予定という。WebLogic Integration 2.0は,WebLogic Serverの上で稼動するアプリケーション統合サーバ製品。

 アプリケーションサービスを生成/配布するためのデザインツールやアダプタ開発キットをかつ輸したアプリケーション統合機能やバリューチェーンをまたがるビジネスプロセスを統合,自動化するビジネスプロセス管理機能,ビジネスWebサービスを実現するB2Bインテグレーション機能の3つの機能を提供する。

 なお,WebLogic Integrationの日本語版は,米国で2001年第3四半期にリリース予定の「WebLogic Integration 2.1」をベースに開発される予定という。米国でリリース後,1〜1.5ヵ月で日本語版をリリースする予定としている。

 また,東芝エンジニアリングが同日,日本BEAシステムズとディストリビューション契約を締結し,WebLogic ServerをはじめとするBEA製品の取り扱いを開始することを発表した。

 この発表により東芝エンジニアリングは,WebLogic Serverを利用した中小規模向けのe−ビジネスサイト構築パッケージ「e-c@tch」を開発し,9月をめどに販売を開始するという。e-c@tchは,iモードに対応したメールマガジンやアンケート機能などを搭載するパッケージ製品。価格は285万円を予定している。

米国での製品ロードマップ
2000年第4四半期 WebLogic Server 6.0
2001年第2四半期 WebLogic Integration 2.0
2001年第3四半期 WebLogic Server 6.1
WebLogic Integration 2.1(1〜1.5ヵ月後に日本語版のリリースを予定)
2001年第4四半期 WebLogic Portal

関連リンク

▼日本BEAシステムズ

▼東芝エンジニアリング

[山下竜大 ,ITmedia]