衛星マルチキャストにIP-VPNを組み合わせたサービス，NTTサテライトが開始
| 【国内記事】 | 2001.08.23 |
企業向けに衛星を用いたマルチキャストサービスを提供しているNTTサテライトコミュニケーションズは，8月23日，「IP-VPN衛星マルチキャストサービス」の提供を開始した。
このサービスは，同社の企業向け衛星イントラネットサービス「Mega Wave Pro」に，NTTコミュニケーションズの「Arcstar IP-VPN」をはじめとする地上系IP-VPNサービスを組み合わせて提供される。MPLSベースのIP-VPNを組み合わせることで，単なる衛星マルチキャスト配信にとどまらず，高品質で，またセキュリティも高いマルチキャストを実現できることが特徴だ。
ブロードバンドという観点から見れば，接続料金の低さなどから，衛星に代わりADSLやCATVといったメディアが大きく加入者数を増やしつつある。これらに対し，Mega Wave Proの強みは，大容量のコンテンツを複数の拠点に一斉に配信するといった使い方で発揮される。
NTTサテライトコミュニケーションズによれば，全国50カ所の拠点に500kbpsで営業研修用映像を配信する場合，通信コストは従来のIP-VPNに比べ約半分にまで抑えられる。また，IP-VPNと同額のコストをかけるとすれば，配信時間が4分の1以下に短縮されると言う。このコストメリットは，受信拠点の数が増えれば増えるほど高まる。
IP-VPNを組み合わせることから，配信データの品質やセキュリティを確保できること，データのセキュリティが維持されることも特徴である。また，地上系と衛星系という2経路のネットワークが利用できることから，信頼性が高まることもメリットの1つだ。
このためNTTサテライトコミュニケーションズでは，e-ラーニングに代表される社内イントラネット向けのコンテンツ配信や，エクストラネットにおける受発注データベースの更新，取引会社へのPOS/KIOSKデータの配信といった用途での導入を想定している。
IP-VPN衛星マルチキャストサービスは，既に利用しているIP-VPNサービスのオプションという形態で提供される。IP-VPNサービスの利用料金に加え，Mega Wave Proの利用料金が必要となり，これは，接続拠点数，衛星回線の種別によって決定される。
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[ ITmedia]
