MANに進出するイーサネット〜ファウンドリーネットワークスがセミナー開催
| 【国内記事】 | 2001.08.29 |
10ギガビットイーサネット(10GbE)は,イーサネットという名前を含んでいながらCSMA/CDを仕様に盛り込んでいない。しかし,この選択によって伝送距離は大きく伸びて40kmまでとなり,イーサネットの適用領域は大きく広がることになった。これまでもっぱらLAN向けの技術とされてきたものが,MAN(Metropolitan Area Network)やWANにおいてSONETやATMに取って代わる可能性が高まっている。
現時点ではまだ10GbEの標準化作業は完了していない。しかし技術的な骨子はほぼ固まっており,その標準――IEEE 802.11aeは,2002年3月を目処に正式に批准される見込みだ。これを見越して,複数のネットワーク機器ベンダーが10GbEへの対応計画を明らかにしている。
そうしたベンダーの1社であり,今年7月より他社に先駆けて10GbE対応モジュールを出荷しているファウンドリーネットワークスは8月28日,「10ギガビットイーサネットセミナー」を東京都内にて開催した。同社は10ギガビットイーサネットアライアンスのプリンシパルメンバーでもある。
ファウンドリーでは,今後は費用対効果に優れるイーサネットが,従来のSONET/ATMといったテクノロジに代わり,MANやWANに浸透していくと見ている。
同社はレイヤ3スイッチ「BigIron」向けに10GbEモジュールを提供済みだ。それも,10GbEは物理層やケーブルの種類,伝送距離によって8種類の接続方式があるが,それらすべてをサポートしていく方針という。
また,10GbEモジュール自体にも工夫が凝らされている。最大の特徴はモジュール内のアーキテクチャだ。各コンポーネントが二重化されているため,信頼性を維持するとともにパフォーマンスを高めている。
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| ファウンドリがリリースした10GbEモジュール |
さらに,従来イーサネットで利用されてきたVLAN(802.1Q),QoS(802.1p)といった機能に加え,MAN向けと表現してもいい新たな機能も実装された。たとえば,802.1wで定義されているラピッド・スパニング・ツリーがそれで,リンクの一部に障害が発生した場合でも数秒程度で新たな経路に収束することができる。しかもこれはネットワークトポロジに依存しない。
また,Super VLANアグリゲーションを用いれば,さらにきめ細かくVLANを設定できるようになる。これはいわば,VLANをさらにSuper VLANとして分割する仕組みと表現できるだろう。これにSTP with VLAN Grouping(802.1s)を組み合わせれば,設定したSuper VLANをSTPドメインごとに分類し,処理の効率を上げることも可能だ。
ファウンドリー独自の機能であるSuperSpanによって,コアネットワークをSTPドメインに分割し,運用管理を容易にする工夫も凝らされている。これはまた,障害回復時間の短縮やアベイラビリティの向上にもつながる。
「10GbEは経済的で拡張性に優れるだけでなく,既に多くのインストールベースを持っているイーサネットと同じ管理アーキテクチャを適用できるといったメリットを持っている」と,米ファウンドリーネットワークスのプロダクトマーケティングディレクター,マーシャル・アイゼンバーグ氏はまとめた。
北米に登場しつつあるMAN向け通信事業者
セミナーではまた,ファウンドリーの顧客であり,MAN向けに高速データサービスを提供している2つのサービスプロバイダーが実際の運用例を紹介した。
1社はカナダを本拠とするストリーム,もう1社はテルシオンだ。いずれもファウンドリーの機器を採用し,MANで高速なデータ通信に特化したサービスを展開しているという。
ストリームでは,トロントなどカナダの大都市周辺を中心に,FWAによる無線接続サービスに加え,昨年末からはイーサネットサービスを提供している。同社の会長兼CEO,スティーブ・スプーナー氏は,従来数カ月を要していた回線の導入が,イーサネットサービスでは1日以内で提供できるようになったこと,STPによってサービスの信頼性が非常に高くなっていること,ATMに比べ圧倒的に価格が低いことなどを挙げ,イーサネットサービスのメリットを紹介した。
「当社では,昨年12月以来,収入増加分の約50%がイーサネットベースのサービスから得られている」(スプーナー氏)
だが同氏によれば,イーサネットサービスの真価は,安価なIPトランスポートサービスを提供できることではなく,その上でさまざまな付加価値サービスを展開できることだ。現に同社では,WebホスティングサービスやSAN,管理サービスなどを提供している。今後はVoIPやビデオコンファレンス,コンテンツ配信サービスなどを企業顧客向けに提供していく計画だ。
この意見は,テルシオンのシステムエンジニアリング副社長,ビピン・ジャイン氏も同様のようだ。同社では,サービスプロバイダーなどの顧客向けに柔軟なサービスを提供している。その最大の特色は,Web上から操作可能な,動的プロビジョニングサービスだ。
このサービスでは,品質やセキュリティを維持しながらビジネスニーズに応じて,リアルタイムに帯域を変更することができる。そして,その基盤となっているのは,綿密なネットワーク設計と,「低価格で標準に基づいた」製品だとした。
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[高橋睦美 ,ITmedia]

