マイクロソフト,Windows XP向けアプリケーションの仕様に注文

【国内記事】 2001.08.31

 マイクロソフトが千葉・舞浜で開催している「Microsoft Tech・Ed 2001」の「Technical Day」最終日となった8月31日,「Windows XP 活用のヒントとテクニック」をテーマに,同社が秋に発売するOSの新製品である「Windows XP」向けのアプリケーションを構築する上での,推奨スペックなどについて,ソフトウェア開発者などをターゲットにセッションを行った。前日夜に,同イベント参加者向けに,フリーフード,フリードリンクのパーティーが舞浜のイクスピアリで開催されたが,最終日も多くの熱心な参加者がセッションに耳を傾けた。

 同社システムエンジニアリング本部の森屋幸英氏は,「Windows XP向けのアプリケーションやデバイスなどを開発する上での基準の柱になるのが“Designed For Windows ロゴ仕様書”になる」と話す。

 Designed for Windowsロゴは,Windows向けのシステムやアプリケーション,デバイスで,マイクロソフトが定めた基準をクリアしたものに対して発行される。Windows XPについてのロゴは「Designed for Microsoft Windows XP」となる。

 ロゴを取得することで,その製品がWindows XPにおいて正常に機能することをエンドユーザーに示すことができるという。また,マイクロソフトはWindows XPの「Windowsカタログ」にその製品情報を載せていくことを検討しており,同ロゴを取得することによって,アプリケーション開発企業もマーケティング的な効果を享受できるとしている。

 具体的な技術要件の詳細は,アプリケーション開発のガイドラインとして必須要件となる「MustHave」と,ゲームソフト開発や.NET向けの最適化などの追加ガイドラインである「Recommended Practice」の2つに大きく分けられる。

 Must Haveは,「主要な機能が実行可能で安定性が保持されること」など,Windowsの基本動作を保証できることが1つ。また,コントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」を正しくサポートすることや,ユーザーが作成したデータを「マイドキュメント」に保存するように求めるなど,データおよび設定の管理が正しく行えることなどが挙げられている。また,Windows XPでサポートされる「Fast User Switching」で,ユーザーの簡易切り換え機能を使った場合に,クラッシュしないことなども含まれるという。

 一方,Recommended Practicesに関し,ゲームソフト開発への言及あり,同社が16ビットコードを今後一切サポートしないことが伝えられた。また,64ビットのWindows XPも出荷が予定されているが,プログラミングモデルは,32ビットの場合とほぼ同じだという。また,.NET向けの最適化要件としては,HailStormを見据え,「PassPort認証サービスを使ってユーザーを認識できること」などが挙げられた。

 加えて同社は,将来の要件について,次のバージョンで必須になる可能性が高いためなるべくサポートしてほしいとした。内容は,IPアドレス不足に対応するIPv6や高品位ディスプレイ,Windwos Installerを使用すること,ネットワーキングアプリケーションのプロトコルサポートなどだという。

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[怒賀新也 ,ITmedia]