iDevelop 2001 Keynote:「.NETを待つ必要はない。今すぐOracle9iで開発を」とオラクルの副社長

【国内記事】 2001.09.06

 日本オラクルは9月6日,横浜パシフィコで「iDevelop 2001」カンファレンスを開催し,1000人以上のデベロッパーが参加した。10月1日から日本でも出荷が始まるOracle9iの最新情報をふんだんに盛り込んだ35のセッションが行われる。e-ビジネスのための次世代プラットフォームと位置付けられるOracle9iは,同社の100を超える製品群をOracle9i DatabaseとOracle9i Application Serverという2つの製品に統合したもの。

“パペット”とボンバーニ副社長

 基調講演に登場したOracle9iマーケティング担当のレネ・ボンバーニ副社長は,「新しい世代のWebアプリケーションを開発するのに,何もマイクロソフトの.NETを待つ必要はない。Oracle9iで今すぐ開発を始めよう」とし,デベロッパーに対する同社のメッセージである「Develop.NOW」をアピールした。

 ボンバーニ氏は,第2世代に入ったe-ビジネスのルールとして,「コンソリデーション」「セルフサービス」「システム間統合」,そして「パーソナライゼーション」の4つを挙げた。そして基調講演では,それらを実現するために単なるデータベースを超えたプラットフォームとして進化したOracle9iをデモを交えながら紹介した。

「ドットコムの90%はOracleデータベースを導入しており,その点では幾分e-ビジネスを理解していたのだが,それでも“パペット”しか売れなかった」と,ボンバーニ氏は基調講演の冒頭でドットコムバブルの象徴としてしばしば登場するペッツ・ドット・コムのマスコットを皮肉った。

「Oracle9iこそ新しいe-ビジネスのルールに対応でき,真のインターネットの約束の地へ連れて行ってくれるプラットフォームだ」(ボンバーニ氏)

 デベロッパー向けのカンファレンスということもあり,基調講演は,Oracle9i Application Server(AS)や開発ツールであるOracle JDeveloperについて多くの時間が費やされた。

 ステージでは,Customer Relationship Management(CRM)ならぬ,Companion Relationship Managementと呼ばれる恋人探しのコミュニティーサイトを構築していく過程がデモされた。JDeveloperに含まれるプロファイリング機能を利用し,JSPのコーディングの中で,処理時間のボトルネックとなっている個所を特定したり,さらに「コードコーチ」機能で半自動的にパフォーマンスを改善してみせた。

 また,オラクルはダイナミックサービスの名称でWebサービス構想を早くから打ち出しており,Oralce9i ASとJDeveloperの組み合わせでWebサービスを簡単にアプリケーション内に組み込める機能も紹介された。

 パーソナライゼーションの技術として同社は「ポートレット」と呼ばれる技術を提供しているが,Oracle9i ASでは同じビジネスロジック(JSP)を単にポートレットだけでなく,データをXML化することでPDAや携帯電話にもそのまま配信することができるようになった。これはOracle Mobile Online StudioがOracle9i ASに統合されたからだ。最近,マルチチャネルによるコンタクトセンターが注目を集めているが,同じビジネスロジックをさまざまなデバイスへそのまま活用できるわけだ。

[浅井英二 ,ITmedia]