ビーコンIT,メインフレームをWebサービスに連携させるXMLベースの新製品を発表

【国内記事】 2001.09.07

 ビーコンインフォメーションテクノロジー(ビーコンIT)は9月7日,同社が100%Javaで開発したインテグレーションミドルウェア「EXTENS Xuras」(エクステス・ジュラス)および独ソフトウェアAGが開発し同社が販売するXMLネイティブデータベースの最新バージョン「Tamino(タミーノ)バージョン2.3」の販売を開始したことを発表した。

 EXTENS Xurasは,同じくビーコンITが開発し,販売しているメインフレーム用エミュレータ製品である「EXTES SIM」のエミュレータ技術に,XMLベースのアプリケーション連携機能を統合させたもの。IBMの「3270(S/390)」「5250(AS/400)」,日立製作所の「560/20」,富士通の「6680」などの端末プトロコルに対応し,メインフレーム上で管理されているデータやアプリケーションに手を加えることなく,短期間かつ低コストでXMLアプリケーションと連携することができるという。

 またEXTENS Xurasは,IBMの「WebSphere」やBEAシステムズの「WebLogic」,HPの「BlueStone」など,J2EE対応のアプリケーションサーバに対応。アプリケーションサーバと連携することで,メインフレーム上で稼動する業務システムに手を加えることなくWebサービス化することも可能という。

 Xurasという製品名は,映画「ジュラシック・パーク」の「ジュラス」をもじってつけられたもの。映画では,遺伝子工学により現代に恐竜をよみがえらせたが,Xurasは,コンピュータ業界の「恐竜」に例えられるメインフレームを,e-ビジネス時代によみがえらせることを意味しているという。

 Taminoバージョン2.3は,XMLデータ構造をそのまま保存することができる,100%Pure XMLで開発されたネイティブXMLデータベース。最新バージョンでは,処理速度を従来比で最高5倍までチューニングされたほか,管理機能やセキュリティの強化,Linuxプラットフォームのサポートなど,数多くの機能が強化されている。

 また年内にリリース予定の機能拡張版では,EJB対応とWebDAVサーバが搭載される予定という。EJB対応では,IBM,BEA,HPの各アプリケーションサーバをサポートする。またWebDAVサーバは,マイクロソフトのOffice製品などを利用して作成したドキュメントを,XMLデータとして直接Taminoに格納したり読み出ししたりできるようにする機能。このとき,チェックイン/チェックアウトやバージョン管理などの機能も提供されるという。

 製品の発表にあたり同社の代表取締役社長,末舛史郎氏は,「現在,経営者が意思決定を行う場合に,企業に蓄積されているデータの10%程度しか活用されていない。今回,発表した製品は,これまで利用できなかった残り90%のデータを有効に活用するための“入り口”を提供するもの」と話す。

 ビーコンITは,今後もレガシーデータだけでなく,今後ブロードバンド時代に次々に登場することが予測されるビデオ,オーディオなどのマルティメディアデータも有効に活用できるソリューションを提供していく計画という。

「マルティメディアデータを有効に活用するためには,データを管理するための標準技術が必要になる。XMLは,企業のデータを有効に活用するための“魔法の杖”になるだろう」(末舛氏)

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▼ビーコンインフォメーションテクノロジー

[山下竜大 ,ITmedia]