インテル,McKinleyやMadisonなど64ビットItaniumファミリーについて語る

【国内記事】 2001.09.12

 インテルは9月12日,同社のe-ビジネスへの取り組みについて,最新の情報をプレス向けに説明する「インテル e-ビジネス アップデートミーティング」を都内で開催した。64ビットサーバ向けプロセッサの本格版といわれるItaniumの後継となる「McKinley」(コードネーム)や,ISVアライアンス,インテルソリューションサービス,ユーザー事例などが紹介されている。

 冒頭挨拶したe-マーケティング本部長の佐藤宣行氏をはじめ,発表担当者の多くが前日夜に起きた米国テロについて触れた。

 佐藤氏は「今朝出勤してきた東京本社の米国人社員は物静かでうつむき加減。どう声を掛けていいのか分からなかった」という。

 また,インテルソリューションサービスについて説明する際,同社e-マーケティング本部e-ビジネスプログラム推進部の小鷲英一氏は「米国での悲劇にもかかわらず,今朝米国法人の担当者とテレカンファレンスを済ませてきた。何事もなかったかのような振る舞いで,気丈な様子だった。すごい会社だと改めて思った」と話している。

Itaniumの次はMcKinley,Madisonと続く

 本題に入り,同社e-マーケティング本部エンタープライズプラットフォームでマーケティングマネジャーを務める平野浩介氏は,e-ビジネスの成功に向けたIA(Intel Architecture)ベースのエンタープライズ向けプラットフォームについて,製品の観点から話した。

 64ビットプロセッサであるItanium向けのOSに関し,三菱電機やコンパック,デル,ヒューレット・パッカード(HP),IBMがマイクロソフトの「Windows Advanced Server Limited Edition」を搭載したシステムを既に提供している。

 そして,64ビットプロセッサをより実用に近づけるといわれるのが,Itaniumの後継となるMcKinleyだ。McKinleyは,データ転送速度がItaniumの3倍,レイテンシ(データのリクエストから転送までの遅延時間)も低減している。コア周波数は1GHz(Itaniumは800MHz)に上がり,スケーラビリティも向上しているという。

 同社は,McKinleyベースのシステムがItaniumベースに比べ,1.5〜2倍の性能向上を実現するとしている。

 さらに,Itaniumプロセッサファミリーで,McKinleyの次にくるのは「Madison」(コードネーム)だという。Madisonは,0.13ミクロンプロセス(McKinleyまでは0.18),L3キャッシュは6Mバイト(同3Mバイト)に拡大し,周波数も向上するという。

 現在,64ビット市場はサン・マイクロシステムズやHP,IBMの独自システムによって独占されており,各社がそれぞれに自社開発のRISCベースの64ビットプロセッサを,独自OSと組み合わせてユニークなハードウェアを販売している。

 この日のブリーフィングでは,EPICアーキテクチャであるMcKinleyと,サン「UltraSparc III」のRISCアーキテクチャとの比較表も明らかにされた。それによれば,システムバス帯域幅,オンボードキャッシュ容量,オンボード・レジスター数,実行ユニット数,コア周波数,1クロック当たり命令数など,多くの指標でMcKinleyがUltraSparc IIIを凌いでいる。

 また,同社は,Itaniumプロセッサファミリーの製品ロードマップについて述べている。大雑把に捉えると,ハイエンドおよびミッドティアでは2001年までItanium,2002年にMcKinley,2003年にMadisonを想定しているという。なお,同じ製品でも,用途によってキャッシュの大きさなどでバージョンは異なってくる。

 さらに,ミッドレンジでは,2003年より,McKinleyとMadisonとプラットフォーム互換性を持ち,0.13ミクロンプロセスの「Deerfield」が登場するとしている。

 一方,性能を追求するItaniumに対し,価格対性能比で勝負する製品が「Xeon」だ。Xeonの利点は,「ハイパースレディング」が搭載されること。ハイパースレディングは,物理的に1つのプロセッサを,論理的に2プロセッサとして動作させる技術だ。物理的には1つであるため,ライセンスは1つでいいことも,企業ユーザーにとってメリットとなる。

 また,平野氏は,同社が先日説明会を行ったInfiniBandについても触れている。

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[怒賀新也 ,ITmedia]