テンアートニ,ゼンドと国内総代理店契約締結で開発ソリューションをPHPに拡大

【国内記事】 2001.09.12

 テンアートニは9月12日,Webシステム向けプログラミング言語であるPHP関連ソリューションを提供するイスラエルのゼンド・テクノロジーズと日本市場での総販売代理店契約を締結したことを発表した。

写真左より,テンアートニの角田好志社長,ゼンドのドロン・ガーステルCEO,テューンビズの岡田良太郎社長

 この契約によりテンアートニは,ゼンド製品の国内総販売代理店として,製品・マニュアルの日本語化をはじめ,販売・マーケティング活動,サポートの提供などをスタート。日本語Webサイトの開設も計画している。まずは同日より,英語版の製品提供を開始する。日本語版の提供開始は,12月1日を予定している。

 一方のゼンドは,PHPの最新版「PHP4.0」に搭載されている実行環境「Zend Engine」を開発し,無償で提供している。また,ビジネス向けのWebサイト構築で必要な信頼性や利便性を向上するソリューションを有償製品として提供する。主な製品は,処理を高速化する「Zend Cache」,開発したコードを不可視化する「Zend Encoder」,統合開発環境の「Zend iDE」など。製品だけでなく,サポート,コンサルティングなどのサービスも提供している。

 PHPは,データベース連携を含むWebシステムの構築を容易にするオープンソーススクリプト言語。スクリプト言語なので,習得が容易で,高速な処理を実現することが可能。データベースとの親和性も高く,急速にその利用が拡大しているという。5月には,最新版である「PHP 4」が公開され,2カ月間で26万5000以上ダウンロードがされている。日本でも,2000年4月に「日本PHPユーザ会」が発足され,「PHP 3」の日本語対応もリリースされている。

 ゼンドのドロン・ガーステルCEOは,「2000年6月にPHPを利用したWebサイトは100万サイトに過ぎなかった。しかし,2001年8月には300万サイトにまで拡大している。現在,インターネット上のWebサイトの40%がApacheサーバで,その上で稼動するアプリケーションの40%がPHPで開発されている」と言う。

「今後は,フェーズ1としてブランド認知を徹底させ,フェーズ2でシェアを拡大,フェーズ3でさらなる市場の拡大を目指していく計画だ」(ガーステルCEO)

今回,両社の提携にあたたり,日本でのPHPの普及に向け活動する「日本PHPユーザー会」に参加し,多くのPHPシステム構築実績を持つテューンビズとも積極的に協力していく計画だ。テンアートニでは,これまでLinuxおよびJavaによるソリューションを推進してきたが,Webシステム開発の裾野を広げる意味もあり今回の提携に踏み切ったという。

 テンアートニの角田好志社長は。「今後,企業情報システム開発においてはこれまで通りJavaを利用し,特に官公庁や学校,民間企業向けの業務アプリケーションについては指定のない限りPHPで開発し,オープンソース化していく考えだ」と話している。

 テンアートニでは,今後1年間でゼンド関連ソリューションにより,1億円の売上を見込んでいる。なお,取り扱い製品,価格などの詳細は,後日発表される予定という。

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[山下竜大 ,ITmedia]