IBMブランドの新しいInformix製品群が近くリリースへ

【国内記事】 2001.09.14

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は9月14日,都内ホテルにおいてDB2ユーザー向けのカンファレンス「DB2 Day 2001」を開催。今年7月に買収が完了したインフォミックス製品群の現状と今後の動向について明らかにした。

 米インフォミックス・ソフトウェアは今年の4月,IBMにInformixデータベース関連製品群の営業権譲渡を発表。同7月にすべての手続きを完了している。これに基づき日本でも,インフォミックスのデータベース事業が日本IBMに引き継がれ,日本IBMソフトウェア事業部インフォミックス事業推進として新たなスタートをきっている。

 今回の統合について同社では,オープンシステム向けデータベース市場でのシェアの拡大とオープンプラットフォームへのコミットメントの強化が目的と発表している。日本でも,既存のInformix製品群は,引き続き販売・サポートを続けていくだけでなく,主要な製品については今後も機能拡張していくという。

 確かに,同カンファレンスの基調講演でも,「両社のシナジー効果」と話しているが,1つの会社が2つのデータベース製品を持ち,どのようなシナジー効果を出していくかは,いま一歩理解できない。今後,もう少しユーザーにも分かりやすい説明をしてほしいところだ。

IBMブランドのInformix製品が近く登場

 しかし,主要製品の販売・サポートを続けるという言葉どおりに,日本IBMではInformix製品の最新バージョンをリリースする予定という。

 同社は,Informixデータベースエンジンの最新バージョンとなる「Informix Dynamic Server 9.3」のリリースを2001年第4四半期に予定している。また,2002年前半には,開発コード「Toucan」と呼ばれる,データウェアハウス製品「RedBrick 6.2」を出荷する計画という。

 これら2製品がリリースされれば,IBMとして始めてのInformix製品のメジャーバージョンアップリリースとなる。

 Informix Dynamic Server 9.3は,グラフィックユーザーインタフェース(GUI)による管理ツールや「Dynamic Log」機能などの搭載により使いやすさを向上させたほか,マルティメディアデータに対応した新しいレプリケーション機能を搭載。マルティメディア対応として空間(Spatial)データもサポートする。

 また,IBMのJava開発環境である「VisualAge for Java」をはじめ,さまざまな開発・管理ツール群が同梱される計画だ。

 一方,RedBrick 6.2では,パフォーマンス管理機能が強化されるほか,XML形式のデータをロード/アンロードできるXML機能を搭載。そのほか,SQL99標準をサポートし,SQL/OLAP対応を実現するという。

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▼日本アイ・ビー・エム

[山下竜大 ,ITmedia]