「プラグ&プロテクト」で企業システムをインターネットの脅威から守るシマンテック

【国内記事】 2001.10.03

 シマンテックは10月3日,同社として初めてリリースするハードウェア製品となるファイアウォールアプライアンス「Symantec VelociRaptor ver.1.1」の販売を10月31日より開始することを発表した。

シマンテックが初めてリリースするハードウェア製品「Symantec VelociRaptor ver.1.1」

 Symantec VelociRaptor ver.1.1は,サン・マイクロシステムズのLinuxアプライアンスサーバ製品である「Sun Cobalt RaQ4」をベースに,シマンテックのコーポレートカラーである黄色のカラーリングを施し,同社のセキュリティソフトウェアを搭載したファイアウォールアプライアンス。

 1Uのきょう体に,OSとして「Red Hat Linux」ベースのLinux kernel 2.2マルチタスクオペレーティングシステムが搭載されるほか,セキュリティソフトウェアとして「Symantec Enterprise Firewall V6.5」および「Symantec Enterprise VPN V6.5」を搭載。省スペース設計でありながら,高いセキュリティ環境を容易に低価格で実現できるという。

 ファイアウォール機能としては,パケットがどのサービスを経由して,どのIPアドレスからどこに送られるのかをネットワーク層でチェックする「パケットフィルタリング」だけでなく,パケットをアプリケーション層でチェックすることで,アドレスやポート番号だけでなく,データやコマンドの正当性もチェックできるアプリケーションプロキシ方式を採用した「フルインスペクション技術」を実現。不正アクセスだけでなく,情報の漏えいを防ぐなど,より強力なセキュリティ環境を実現することが可能になる。

「Symantec Raptor Management Console」を利用してリモート環境からでも管理できる。

 これらの機能は,マイクロソフトの管理コンソールのスナップインである「Symantec Raptor Management Console」を利用してリモート環境からでも管理可能。分散して配置されたSymantec VelociRaptor ver.1.1の集中管理が可能なほか,ログの管理や設定変更など,高度な管理機能が提供されている。

Symantec VelociRaptor ver.1.1を発表する成田社長(写真左)とギースブレクトSVP

 製品の発表にあたり,シマンテックの代表取締役社長,成田明彦氏は,「ファイアウォールアプライアンス製品の提供により,“プラグ&プロテクト”を実現。インターネットの脅威から,企業システムを容易に守ることが可能。高い安全性をリーズナブルな価格で実現できる」と言う。

 Symantec VelociRaptor ver.1.1は,ノード数50以下をサポートする「Model 500」,T3レベルをサポートする「Model 700」,Fastイーサネットをサポートする「Model 1000」の3モデル6製品が導入規模にあわせ提供される。価格は,Model 500が72万円,同VPN版が90万円,Model 700が180万円,同VPN版が240万円,Model 1000が276万円,同VPN版が384万円。初年度,6製品で30億円の売り上げを見込んでいる。

 また,シマンテックは同日,同社がグローバルに展開するパートナー支援プログラム「シマンテック・パートナー・プログラム」を日本国内でも提供開始することを明らかにしている。シマンテック・パートナー・プログラムの展開により,同社のパートナー各社は,日本国内でも世界共通のパートナー支援プログラムを利用することが可能になるという。

 来日した米シマンテックのセールス&プロフェッショナルサービス担当上級副社長,ディーター・ギースブレクト氏は,「最高品質のソフトウェアとアプライアンス製品を提供するだけでなく,迅速なレスポンスのプロフェッショナルサービスを実現し,強力なパートナーネットワークを構築することで,エンタープライズセキュリティビジネスを確立するのがわれわれの戦略だ」と話している。

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[山下竜大 ,ITmedia]