ココセコムは「21世紀のお守り」
【国内記事】 | 2001.10.04 |
「ココセコムは21世紀のお守り」とセコムの企画室,目崎祐史氏は自信を持って話す。
千葉の幕張メッセで開催されているCEATEC JAPAN 2001の3日目,「ブロードバンドコンテンツからリレーションシップビジネスへ」と題して特別セッションが行われた。セコムの目崎氏は,CDMAとGPSの両方の技術を持つ同者の携帯型端末「ココセコム」によるサービスをアピールしている。
ココセコムを右手に話す目崎氏 |
ココセコムは,セコムが展開する位置情報提供および現場急行サービスだ。ココセコムの端末を高齢者や子どもに持たせておけば,どこへ行ったとしても居場所を知ることができる。さらに,現場急行サービスにより,探している人が思いもよらない遠隔地へ行ってしまっていたとしても,同社の担当者が対応してくれるという。
また,自動車の異常監視サービスも提供している。端末を車に載せておけば,盗難などの異常が発生した場合にすぐに知らせてくれるという。
同社は,ブロードバンド化の流れを受け,映像や音声を含めたサービスも検討しているという。これは,ビル管理などにも当てはまるが,センサーだけでなく映像や音声も含めた警備を行うことで,よりリアル感のある正確な現場状況の把握が可能になるという。
同氏は,ココセコムのサービスで,子どもは受難するかもしれないと話す。子どもが塾へ行くのを忘れてどこかで遊んでいたとしても,母親にバレてしまうからだ。
同氏は笑って話すが,母親だけでなく,このサービス提供者も含め,居場所が有無を言わさず分かってしまうという状況には少し抵抗がある。直接は関係ないが,数年前にいわゆる「国民総背番号制」の危険が話題になったことがあった。しかし,現在では,居場所が常時リアルタイムに知られてしまうわけで,技術の進歩は国民総背番号制的な危機感を軽く追い越してしまったようだ。
サイバーリテラシーを持とう
この日,朝日新聞社の総合研究センターで主任研究員を務める矢野直明氏も,パネラーとして講演している。
同氏は,「人々の生活がサイバースペースに覆われるようになった」と話す。それが,現実空間に覆われているという。同時に,現在は,個人や家庭,企業などの共同体がいったん液状化し,再編成しようとしている途中だという。
そして同氏は,サイバースペースと現実空間が交流するIT社会で生きていくための知恵としてサイバーリテラシーの獲得を提唱する。
サイバーリテラシーを持つことのメリットは,隣の人と話すように外国や遠隔地の人と話ができるようになることだ。つまり,時間と空間から自由になり,家族という概念からも開放されるわけだ。しかし同時に,サイバーリテラシーによってむしろ不幸せになる可能性もあると同氏は付け加えている。
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[怒賀新也 ,ITmedia]