「Pervasive.SQL 2000i」,エージーテックが販売開始
| 【国内記事】 | 2001.10.12 |
エージーテックは10月12日,米パーベイシブソフトウェアのデータマネジメント向け新製品「Pervasive.SQL 2000i」をユーザー向けに紹介する「Pervasive.SQL 2000i カンファレンス」を都内のホテルで開催した。米パーベイシブのロン・ハリスCEOなどが講演を行い,Pervasive.SQL 2000iの新機能やサービス内容が紹介された。エージーテックは同製品を11月12日から販売を開始する。両社は7月2日に同社と資本提携および経営統合している。
ロン・ハリス氏は,この数年間について「業界ではWebを活用する動きが活発になった」と話す。そして今回,Pervasive.SQL 2000iではWebをサポートしている。同氏は,ドットコムバブルが弾けた米国では現在も倒産率が高く,パーベイシブも大きく利益が落ち込んでしまったとする。そこで同社は,基本に立ち戻る「Back to Basics Strategy」を打ち出し,重視する日本市場への取り組みとして,エージーテックとの経営統合に踏み切ったとしている。
エージーテックは,Pervasive.SQLの前身となるBtrieveを15年にわたり国内で販売およびサポートしてきた。今回の経営統合において,両社の営業力と技術力を合致させ,eCRMやe-ビジネス,Linuxなどの新たなるステージを見据えているとする。また,Pervasive.SQLのブランド認知度も高めたいとしている。
Pervasive.SQL 2000iは,スタンドアロンであるデスクトップ環境向けの「Pervasive.SQL 2000i Workstation」や,クライアント/サーバ環境向けの「Pervasive.SQL 2000i Server for Windows NT/NetWare/Linux」,中規模までのグループユーザーに専用サーバを設置することなく,P2Pで共通データへのアクセス環境を提供する「Pervasive.SQL 2000i Workgroup」という3つの製品に分けられている。
さらに,新製品からはWebをサポートした。Webアプリケーションデータベースとしてデータ資産を安全に管理できるという。
Pervasive.SQL 2000iは,同一データソースに対して,トランザクションアクセスとリレーショナルアクセスの両方をサポートしている。またインストール時に,前のバージョンの残骸モジュールなどを退避できる「Peravasive System Analyzer」や,クライアントとサーバ間のネットワークエラー時に,自動的に再接続する機能も付加された。
さらに,ページ全体ではなく,直接関係する行のみをロックする「行レベルロック」をしていることで,パフォーマンスの向上も実現した。
また,データベースへのアクセスインタフェースは,業界標準の開発環境であるOLE DB 2.5に準拠している。ADOと統合し,ODBCへの非依存を図っている。加えて,リレーショナルデータアクセスのためのJavaインタフェースであるJDBC2.0も採用されている。
ハリス氏は,「Pervasive.SQL 2000iを使うことで,マイクロソフトのSQL Serverと比べて,TCOは1/7になる」と自信を見せる。
「オラクルやIBM,マイクロソフトなどに対するブランド志向が強すぎる人を除けば,多くのユーザーがPervasive.SQLの良さを分かってくれている」(同氏)
一方,エージーテックの棚橋善夫社長は,「OracleとPervasiveが市場で競合することはない」とする。Pervasive.SQLは現状も,レストランや医者などに向けた業務アプリケーションに組み込まれる製品であるため,確かに競合はしなそうだ。したがって,それらの業務アプリケーションを構築および販売するISVやソフトウェアベンダーなどが,Pervasive.SQL 2000iでも主要なターゲットになるという。
この日来場したPervasive.SQLのユーザーは,「テーブルの項目などを一切変更できないことが前提になっていることがデメリット。しかし,オラクルのデータベースに比べれば比較にならないほど安く,また,状況に応じたうまい使い方をすればパフォーマンスも非常にいい」と話してくれた。このユーザーが開発するシステムでは,求める処理によってPervasive.SQLとオラクル製品を使い分けているという。
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[怒賀新也 ,ITmedia]
