e-Drive 2001を支えるBroadBand ShowCase,だが実はSAN関連が充実

【国内記事】2001.11.01

 東京・お台場のホテルで行われている「e-Drive 2001」はセミナー主体のカンファレンスとはいえ,参加各社による新製品,ソリューション展示も行われている。

 会場展示では出展企業によって,スイッチやルータVPN製品など,主要なネットワーク機器が紹介された。どちらかといえば既にお馴染みの製品群と,それを元にしたソリューション提案が展示のメインだが,その中でも気になるカテゴリが2つほど目に付いた。1つは負荷分散装置。もう1つは,ストレージ関連の製品群だ。

 負荷分散装置については,まずF5ネットワークスと同社の代理店が,9月にリリースされた新製品「BIG-IP 5000 IPアプリケーションスイッチ」を紹介している。これは負荷分散やコンテンツスイッチングに加え,SSLアクセラレーション機能を搭載したオールインワンタイプの製品だ。SSLアクセラレーション機能をチップとして内蔵することで,パフォーマンスを高めていることが特徴となる。大規模エンタープライズやデータセンター,キャリアなどが主なターゲットだ。

 一方ローエンドの負荷分散装置としては,ネットワールドが「Equalizer」シリーズを紹介した。これは米コヨーテ・ポイント・システムズが開発した製品で,「それほど大規模ではないけれど,サイトが落ちてしまうのは困る」といったニーズにしっくりくる。機能を絞り込んだ代わりに価格も抑えられており,ローエンドモデルの「E250」が68万円からだ。

コヨーテ・ポイントの1Uサイズの負荷分散装置「E450/U

 同社ブースではまた,参考出展の形で「E450/U」も紹介された。機能は現行の製品とほぼ同等だが,2Uだった筐体を1Uサイズに抑えている。同社の説明によれば,今後3カ月ほどの間に正式にリリースされる見込みだ。

最新のSAN製品を用いたBroadBand ShowCase

 e-Drive 2001の会場には,デモンストレーションやコンテンツの配信インフラも兼ねて「BroadBand ShowCase」というネットワークが構築されている。ネットワークコアにはギガビットイーサネットやWDMを利用し,RealMediaやWindows Media Playerを用いた動画配信などが行われている。

 ここでは,仮想的なISPやアクセスサイトともに,コンテンツ配信ネットワーク(CDN)やSANも構築された。こうした展示で,ストレージが大きな位置を占めるようになっていることが最近の特徴だ。

 BroadBand ShowCaseのSAN部分には,国内ではおそらく初のお目見えとなるストレージシステム「Cerevaインターネットストレージ」が組み込まれた。数テラバイトからペタバイト級のストレージをサポートする製品で,大規模インターネットデータセンターやサービスプロバイダーでの利用を想定している。この製品は,11月中に正式に発表される予定だ。価格は,2テラバイトで7000万円前後の見込みだ。

 またこのシステムでは同時に,ブロケードコミュニケーションズのファイバチャネルスイッチの新製品,「SilkWorm 3800」も利用されている。2Gbpsファイバチャネルに対応した初の製品であるだけでなく,一種のトランキングによって,スイッチ間で最大8Gbpsのリンクを実現できることが特徴だ。

関連リンク

▼e-Drive 2001サイト

[高橋睦美 ,ITmedia]