Interview:「イーサネットをあらゆるところに拡張する」のはエクストリーム

【国内記事】2001.11.02

 エクストリームネットワークスは,LANからメトロポリタンエリアネットワーク(MAN),さらにWANへとイーサネットを拡張するというビジョンを掲げ,BlackDiamondやSummit,Alpineといったスイッチ製品を提供している。

 11月1日,2日に行われた「e-Drive 2001」では,米エクストリームネットワークスのプロダクトマーケティング ディレクタ,クレイグ・イーズリー氏が来日し,イーサネットやMPLSをテーマとした複数のセミナーを行った。その同氏に,改めてエクストリームのビジョンとそれを支える技術について聞いた。

eWEEK 1日のセミナーでは,イーサネットがMANのみならずWANやアクセス回線へも広がるというビジョンを示していましたね。

イーズリー そうです。既存のSONETをベースとしたネットワークから,ギガビットイーサネットによる新しいネットワークへの移行が起こりつつあります。それを実現するため,我々は2つの新しい技術を製品に実装しました。

 1つは,イーサネットベースのネットワークをさらにスケーラブルにする「VMAN」(Virtual MAN)です。VLANでは1つのネットワークを最大4096に分割できますが,VMANではその2乗,1600万以上に分けて利用できます。我々はこの技術の標準化を目指し,ジュニパー・ネットワークスなどと協力しながら作業を進めています。

 もう1つはMPLSです。Draft Mariniによって,MPLSのパスにVLAN IDをマッピングすることを可能にしました。

SONET/SDHという既存のインフラからイーサネットベースのインフラへの移行について語ったイーズリー氏

eWEEK MPLSによってどんなことが可能になるのでしょう。

イーズリー MPLSが重要な理由は2つあります。スケーラビリティとセキュリティです。また,MPLSによってあらかじめプライマリとバックアップという2つのパスを設定すれば,障害発生時にはバックアップ用のパスで通信できます。つまり,信頼性や冗長性を高めることにもつながります。

 我々は段階的にMPLSを製品に実装しています。今年7月には「リリース1」として,BlackDiamond用のMPLSネットワークプロセッサカードを発表しました。

 ネットワークプロセッサという形で提供するため,他社の実装のようにインタフェースにとらわれることはありません。我々はあらゆるインタフェースをサポートし,フレキシブルな導入を可能にします。また,ネットワークプロセッサには,パフォーマンスを高め,ワイヤスピードでの処理を可能にするという利点もあります。

 12月の「リリース2」では,RSVP TE(Traffic Engineering)をサポートします。また,これまではポイントツーポイントでのMPLSしかサポートできませんでしたが,リリース2では,ポイントツーマルチポイントのMPLSを実現します。

eWEEK RSVP TEにはどんな利点があるのですか?

イーズリー 現在サポートしているLDP(Label Distibution Protocol)は静的なパス情報のみを,それも一方向のみにしか伝えられません。しかしRSVP TEはステート情報を把握し,動的なパス情報を伝えられます。パスのどこかが混雑しているようであれば,それを反映させることができます。

eWEEK MPLSの実装状況は分かりました。では,他社製品との接続性はどうなっているでしょう?

イーズリー Networld+InteropのeLabsでは,ジュニパー・ネットワークスの製品との間で接続試験を行い,MPLSの相互接続性を確認しました。引き続きリバーストーン・ネットワークスやファウンドリネットワークス,シスコシステムズ,ノーテル・ネットワークスなどの製品との間でも,MPLSに関する接続性を確認していく計画です。

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[聞き手:高橋睦美 ,ITmedia]