思い切った価格戦略でJ2EEアプリケーションサーバの普及を目指す日本HP

【国内記事】 2001.11.26

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は11月26日,同社のWebサービス戦略「hp netaction」の最新動向と,その中核となるJ2EEアプリケーションサーバ製品の最新版「hp application server 8.0」の製品概要について明らかにした。

 hp application server 8.0は,HPが2000年10月24日に発表したブルーストンソフトウェアの買収によりHP製品群に組み込まれた「HP Bluestone Total-e-Server 7.3」の最新版。「hp application server 8.0標準版」と「hp application server 8.0拡張バンドル」の2つのコンポーネント製品で構成される。

 最新版は,製品名だけでなく基本的なアーキテクチャも一新。コンポーネントの組換えを容易にする「Core Services Framework」をベースに,アプリケーションサーバ機能やさらにその上で稼動するアプリケーション(コンポーネント)を自由に組み込める仕組みを実現している。また,JMXによる優れた管理性やLBB(Load Balance Broker)による可用性の向上,Hot Versioningによるダイナミックなコンフィギュレーションなどの機能が搭載されている。

 最大の特徴は,J2EEアプリケーションサーバであるhp application server 8.0標準版を無償で提供すること。同製品は12月上旬より,日本HPのWebサイトから無償ダウンロードが可能になる。同社では,hp application server 8.0標準版を無償で提供することで,J2EEアプリケーションサーバのさらなる普及を目指すという。

 一方,hp application server 8.0拡張バンドルを導入することで,hp application server 8.0標準版の機能に,メッセージサービスやメラントのJDBCドライバ,パーシスタントステートサーバ,2フェーズコミットの機能を追加することが可能になる。

Webサービス戦略も強化

 Webサービス戦略の強化では,同社が推進するhp netactionに対応するWebサービス関連製品群をリリースした。同製品群は,hp application server 8.0だけでなく,IBMの「IBM WebSpherer」やBEAシステムズの「BEA WebLogic」など,他社のJ2EEアプリケーションサーバ上でも動作するのが特徴だ。

 今回,発表されたのは,SOAP,UDDI,WSDLを利用して実現されるリクエスト/レスポンス式のシンプルなWebサービスを実現する「hp web services 1.0」をはじめ,Webサービス上でビジネスプロセス管理を実現する「hp process manager interactive」,BTPを実装したトランザクションサーバの「hp web services transactioning」,JMSを実装したメッセージングサーバの「hp message service」,XML対応のコンテンツ配信・管理サーバの「hp syndication server」の5製品。

 hp web services 1.0は,シンプルなWebサービスを実現するための製品。マイクロソフトの.Netとの相互運用も可能なSOAPサーバをはじめ,WSDLコードを自動生成するWebサービス開発支援ツールなどが提供される「hp web services platform」とプライベートUDDIレジストリが作成可能な「hp web services registry」で構成される。同製品は8月より,既にベータ版が提供開始されており,12月にはDeveloper Editionの提供を開始。製品版は2002年2月より提供を予定している。

 そのほかの製品群を利用することで,例えば,タクシーと劇場,レストランのすべてが予約できたときだけ処理を確定し,1つでも予約ができなかった場合には処理をロールバックするような,より複雑なWebサービスを実現することが可能になる。

hp netaction製品概要
hp application server 8.0

標準版 無償提供(1CPU当たり):2001年12月上旬出荷予定
拡張バンドル 100万円(1CPU当たり):2002年2月下旬出荷予定

※両製品ともサポートは有償

hp web services 1.0

開発者版 無償提供:2001年12月上旬出荷予定
拡張バンドル 100万円(1CPU当たり):2002年2月下旬出荷予定

実行ライセンス:2002年2月下旬出荷予定
hp web services platform 15万円(1CPU当たり)
hp web services registry 75万円(1CPU当たり)

hp process manager interactive

100万円(1CPU当たり):2002年第2四半期出荷予定

hp web services transactioning

100万円(1CPU当たり):2002年2月下旬出荷予定

hp message service

100万円(1CPU当たり):2002年2月下旬出荷予定

hp syndication server

200万円(1CPU当たり):2002年1月下旬出荷予定

関連リンク

▼日本ヒューレット・パッカード

[山下竜大 ,ITmedia]