テクマトリックスが米アリゴと提携,J2EEモーバイルサーバ「Aligo M-1 Server」の国内販売権を取得

【国内記事】 2001.11.26

 テクマトリックスは11月26日,米アリゴが開発したJavaベースのモーバイルアプリケーション構築環境である「Aligo M-1 Mobile Application Server」(Aligo M-1 Server)の国内販売権を取得したことを発表。これによりテクマトリックスは,Aligo M-1の販売および同製品を中核としたモーバイルソリューション事業を本格的にスタートする。

 Aligo M-1 Serverは,J2EEをベースとしたモーバイルアプリケーション開発環境および実行環境をパッケージしたスイート製品。BEAシステムズの「BEA WebLogic」やIBMの「IBM WebSphere」,国内ではテクマトリックスが取り扱うシルバーストリームソフトウェアの「SilverStream」など,J2EE準拠のアプリケーションサーバと密に連携して動作する。

 最大の特徴は,特定のマークアップ言語や携帯端末の種類を意識することなく,既存のJ2EEアプリケーションサーバ用に構築したソフトウェア資産を,そのまま使用してエンタープライズ向けのモーバイルアプリケーションを構築できること。Javaで記述されたアプリケーションは,携帯端末のプロファイルに応じて,最適なアプリケーションを自動的に生成し配信するので,アプリケーション開発から運用までの期間を大幅に短縮することが可能になる。

 12月末にリリースが予定されている日本語版では,NTTドコモのiモードをはじめ,J-フォン,EzWebなど,国内キャリアをサポート。現在,国内で利用されているおよそ150種類のインターネット対応携帯電話のプロファイルがあらかじめ登録されるという。

 携帯端末のプロファイルは,約2カ月ごとにアリゴにより更新され,Webサイトで提供されるほか,ユーザーが独自にプロファイルを登録することも可能。プロファイルは,専用画面で,画面サイズやカラー/モノクロ,イメージの利用の可否などを設定し保存することで容易に登録できる。

 また,アプリケーション利用中に通信が途切れてもクライアントサイドで処理を行い,通信が確立された時点でシンクロする非同期処理をサポートする。さらに,VoiceXMLをサポートし,同一のアプリケーションを音声によりコントロールすることも可能。企業向けモーバイルアプリケーション構築のために必要なあらゆる機能が搭載されている。

テクマトリックスの由利孝社長(写真左)とアリゴのジェフ・カポネCTO

 発表のため来日したアリゴのCTO(技術最高責任者),ジェフ・カポネ氏は,「われわれが“エンタープライズ”にこだわるのは,エンタープライズ分野こそがモーバイル環境を最大限に活用できる分野だから。モーバイルを有効に活用することで,業務の生産性を向上し,システム運用コストを削減することができる」と話す。

 一方,テクマトリックスの代表取締役社長,由利孝氏は,「われわれはこの6年間,SilverStreamをはじめ,JavaとXMLによる企業アプリケーションインフラ構築に注力してきた。そして次にフォーカスするのがこのインフラ上で動作する企業向けモーバイルの分野で,アリゴの製品は提携を検討した十数社の製品の中で最高のものだった」と話している。

 日本語版の出荷は12月末を予定。価格は1CPU当たり400万円,保守料が年間60万円。出荷開始より3カ月間は1CPU当たり200万円のキャンペーン価格で提供される。

 なお,Aligo M-1 Serverは11月28〜30日の期間,パシフィコ横浜で開催される「JavaOne」カンファレンスのテクマトリックスブースに出展される。

関連リンク

▼テクマトリックス

▼アリゴ

[山下竜大 ,ITmedia]