Interview:Sun ONEの柱,開発ツール「Forte for Java 3.0」の出来栄え
【国内記事】 | 2001.11.30 |
サンは,Webサービスへ向けた同社のソフトウェア構想,「Sun ONE」をJavaOne 2001でも力強くアピールしている。Sun ONEを屋台骨で支える統合開発ツール「Forte for Java 3.0」を中心に,同ツールの特徴や,.Netとの争いまで,同社デベロッパーネットワークフォートツールのピーター・ヤング副社長と,Fort for Javaプロダクトラインマネジャーのドゥルー・エンゲストロム氏にインタビューを行った。
ピーター・ヤング副社長 |
ZDNet Forte for Java 3.0では,「Enterprise Edition」と,スタンドアロンで利用する「Community Edition」が提供されていますが,Enterprise Editionはどんな位置付けの製品ですか。
ヤング Forte for Javaシリーズは,オープンソースの統合開発環境であるNetBeansをベースとしたJavaアプリケーション開発者向けのツールです。3.0 Enterprise Editionは,Sun ONEの主要コンポーネント。XMLをサポートし,EJB(Enterprise Java Beans)作成もできます。また,EJBから簡単にJ2EEアプリケーションを構築できることも特徴になっています。
ZDNet 開発ツールには,主にコンパイラやデバッガなどの機能がありますが,3.0は開発者にとってどんなメリットがありますか
エンゲストロム ブレークポイントを設定してソースコードレベルのデバッグができる点が便利です。また,JSPとサーブレットを関係付けながら開発できることもメリットです。
ドゥルー・エンゲストロム氏 |
ZDNet Webサービスへの対応についてどうなっていますか。
ヤング コンポーネントラッパー技術により,EJBメソッドをXMLオペレーションとしてラップし,公開できます。同技術を使えば,マイクロソフトの.Netで構築されたサービスを利用することも不可能ではありません。そして,複数のXMLオペレーションをWebからアクセスできる1つの公開されたWebサービスとして結合させることができます。また,3.0はプラットフォームとWebサービスを分けて構築できます。つまり,プラットフォームはSolarisでもLinuxでもWindowsでも構わないわけです。
ZDNet Webサービスで重要な通信プロトコルとなるSOAPには対応していますか。
ヤング (当初はサポートしていなかったが)既にSOAPをサポートしています。WebサイトからSOAPを利用するためのコンポーネントをダウンロードできます。
ZDNet サンのSun ONEによるWebサービスと,マイクロソフトの.NetのWebサービスについて,共通する点と異なる点を教えてください。
ヤング コンポーネントモデルを利用するWebサービスへシフトするという,業界全体の方向性に沿っている点では同じ。ただし,同じなのはここまでです。Sun ONEは.Netよりオープンであり,パートナーの参加を前提に考えています。例えば,.Netでは,アプリケーションサーバならMicrosoft Transaction Server(MTS),データーベースならSQL Serverを使わざるをえません。Sun ONEなら,アプリケーションサーバではiPlanetやBEA,HPなど50社が参加する予定になっていますし,データベースでもオラクルやサイベースの製品が利用可能です。
ZDNet 4.0がリリースされるという話も聞きますが,3.0の完成度についてはどう考えていますか。
ヤング 4.0を待つ必要はありません。新しい技術が登場すれば随時Webサイトからアップグレードできますので,ユーザーは常に最新の技術のメリットを享受できます。
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[聞き手:怒賀新也 ,ITmedia]