「オラクル使い」になれる1週間,OOW 2001開幕

【海外記事】2001.12.03

 オラクルは12月3日,米国カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーニ・センターで同社のプライベートカンファレンス「Oracle OpenWorld 2001」(OOW 2001)を開幕した。

 今年で6回目となるOOWでは,オラクルのエグゼクティブをはじめ,メインスポンサーとなったインテル,EMC,サン・マイクロシステムズ,コンパックコンピュータの4社のCEOがキーノートスピーチを行うほか,ラウドクエストのマイク・アンドリーセンCEOやオラクル出身で現在ベリタスソフトウェアのCEOを務めるゲイリー・ブルーム氏の講演も行われる予定だ。不安定な社会要因をものともせず,4万人という過去最高の来場者が見込まれている。

「この1週間であなたもOracle9i wizardに」とマーク・ジャービスCMO

 オープニングセッションでまず壇上に立ったマーク・ジャービスCMO(マーケティング統括責任者)は,キーノート会場を埋めた来場者に,今話題のハリー・ポッターをもじって,魔法使いならぬ「Oracle9i wizard」になるための1週間を楽しんでほしいと呼びかけた。

 このセッションには,ジャービス氏のほか,CFO(最高財務責任者)のジェフ・ヘンリー氏と同社の教育コース「Oracle University」担当上級副社長,ジョン・ホール氏が登場し,減速する経済を吹き飛ばすべく賑やかな幕開けを演出した。

「不安定な経済状況下でわれわれは健闘」とジェフ・ヘンリー氏

 ジェフ・ヘンリー氏は,5月末締めの2001会計年度におけるオラクルの財務状況を解説した。同氏によれば,同社の売り上げは109億ドルで対前年比7%増,営業利益も26億ドルとなり,こちらは対前年比25%増を達成した。部門別では,データベース事業,アプリケーション事業のライセンス収入が,それぞれ10%,11%伸びている。

「下半期のビジネスはマイナス成長だが,微々たるもの。不況下にありながら,われわれは健闘した」(同氏)

 好調だった上半期と対照的に下半期は,ライセンス収入が4%ダウンしたものの,営業利益率はマイナス1%にとどまっている。これは,同社自身がITを使って業務改革を行った成果が反映したためでもある。同氏は,この成果をより高めるべく,コスト削減のターゲットラインを以前の10億ドルから見直し,一気に20億ドルにコスト削減目標を引き上げたことを明らかにした。

学長姿で登場し,会場を沸かせたジョン・ホール氏

 続いて登場したジョン・ホール氏は,既に10万人の合格者を出した技術認定プログラム「Oracle Certified Professional」(日本ではオラクルマスター・プラチナに相当)に加え,初心者向けの「Oracle Certified Associate」と最高レベルの資格となる「Oracle Certified Master」を追加することを発表。これに合格した6人を壇上に招き,直接記念品を手渡した。

 試験のための教育コースも充実させる。同社では,インストラクターによる教育,ライブ型/非ライブ型のe-ラーニング,CD-ROMを使ういわゆるCBT(Computer Based Training)の4つのコースをProfessional受験者向けに提供してきたが,同様のコースをすべての試験向けに提供開始する。

 そのほか同セッションでは,オラクルがスポンサリングするヨットチーム「Oracle Racing」の取り組みが紹介されたり,OTN(Oracle Technology Network)に登録した200万人目のユーザーにオラクルグッズがプレゼントされる一幕もあった。

 同カンファレンスは,12月7日まで5日間にわたり開催される。

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▼日本オラクル

[井津元由比古 ,ITmedia]