OOW 2001 San Francisco基調講演:IBMの3分の1の価格でフルな情報活用を実現するOracle9i

【海外記事】2001.12.05

 12月5日,「Oracle OpenWorld 2001」のキーノートに,オラクルの執行副社長,ソヘイブ・アバシ氏が登場。データという情報資産を本格的に活用することを考えた場合,「オラクルはIBMの提供するサービスよりトータルで3倍安い」と強調した。

「IBMにすべて任せるなんて悪夢だ」とアバシ氏

 講演の冒頭で同氏は,RDBMSから情報を引き出すOALPやデータマイニングでデータを情報に変える「ステップ1」から,Webサイト,基幹システム,レガシーなどから集積される,ありとあらゆる企業データRDBMSに蓄積する「ステップ2」,レポーティングツールやアドホッククエリーツールを使って情報へのアクセスを可能にする「ステップ3」,そしてポータルへのインフォメーションデリバリー(情報配信)を実現する「ステップ4」の4つのステップによって,企業が蓄積した情報資産を本格的に活用できるようになると強調する。

 最近のオラクルは,マイクロソフト以上にIBMを強烈に口撃するようになってきたが,アバシ氏も例外ではない。IBMがハイペリオンやアクチュエイト,インフォマティカなど7社のベンダーの製品を組み合わせてようやく情報資産をフルに活用するソリューションを提供できるようになることを「悪夢だ!」と一蹴する。

「われわれは,複雑なシステムをシンプルにできる。Oracle9i Databaseにあらゆる情報を放り込み,アクセスと情報配信をOracle9i Application Serverで提供する。4つのステップは,われわれだけで完結するのだ」(アバシ氏)

 機能面でオラクルの優位性を見せつけるデモも行われた。季節変動要因のある売り上げ予測を行うデモでアバシ氏は,同じデータをベースとしてIBM DB2+EssbaseとOracle9iで同時に分析を開始し,そのスピードが約3倍であることと共に予測の正確さも披露した。

 なお,今回のデモでDB2+Essbaseは,季節変動要因を予測に取り入れられなかったが,これはユーザー側の設定で回避できるため,「ズルい手」を使ったと言えなくもないことを付け加えておく。ただ,スピードの差は歴然だった。

 また同氏は,価格に関しても容赦ない口撃を加える。100ユーザー/4×Intel CPUで2デベロッパーライセンスの場合,データベースだけながIBM DB2が8万8000ドル,Oracle9iが16万ドルと,オラクルの方が高価だ。しかし,これにOLAP,データマイニング,ETL,レポーティング,アドホッククエリー,アプリケーションサーバ,ポータル構築,クリックストリーム分析の機能を追加した場合,オラクルは合計3分の1の価格で提供できるという(IBMの価格は,OLAPにハイペリオン,レポーティングにアクチュエイト……など,さまざまなベンダーの製品の合計値)。

「IBMに頼んで情報活用のための機能を強化しようとすれば,“あといくらかかるの?”と悲鳴を上げることになる」(同氏)

DM Review誌から記念の盾が送られた

 DMレビュー誌11月号で,2001年「DM Review 100アワード」のトップにオラクルが立ったたことが明らかになった。同アワードは,同誌が戦略的ビジネスインテリジェンスを実現する製品を提供する企業を表彰するためのもので,この日のキーノートの途中に,アバシ氏に記念の盾が手渡された。

 もらった盾を小さな机の上に置いたアバシ氏。ガラス製と思われる盾が講演中に倒れてしまったときに,「大丈夫。Oracle9iはUnbreakableだから!」と盾が壊れていないことを聴衆に披露し,喝采を浴びる一幕もあった。

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▼日本オラクル

[井津元由比古 ,ITmedia]