コンコルド日本法人が本格的なマーケティング活動を開始
| 【国内記事】 | 2001.12.12 |
米コンコルド・コミュニケーションは,システム,ネットワークおよびアプリケーションの性能監視ツール「eHealth Suite」で知られている。その日本法人であるコンコルド・コミュニケーションは,今年2月に設立された。10月には代表取締役社長として小野寺康一氏を迎え,本格的な販売活動を展開しようとしている。
その第一歩として2002年2月末には,「eHealth Suite 5.0」日本語版の出荷を開始する予定だ。英語版は今年8月に発表されていたが,マニュアルなどの日本語化を進め,市場に投入する。合わせてサポート体制の強化やセミナーの開催などを通じ,さらなる国内顧客の獲得を目指す。
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| 「eHealth Suiteは製品がいいから,黙っていても売れていた」という小野寺氏。今後は本格的にマーケティング活動を展開する |
障害監視と性能監視の両方を実現
eHealth Suiteは,ネットワーク,システム,そして顧客にとっては何より重要なアプリケーションという3つの要素について,障害,パフォーマンス,アベイラビリティを監視する製品だ。これらすべてについて,統合的に管理・監視を行える点が第1の特徴である。
つまり,リアルタイム性が要求される障害監視と,データの蓄積・分析を元に判断される性能監視という2つの情報を「一貫性がある形で,しかもグラフィカルに理解しやすい形で把握できる」(小野寺氏)ことがポイントで,これにより,システムのダウンタイムを減らし,サービスレベルに見合ったサービスの提供が可能になるという。
eHealth Suiteでは,インフラを構成する各々のエレメント(ルータやサーバ,アプリケーションなど)の状況を,SNMPをベースに収集し,「Live Health」コンソールを通じてリアルタイムに確認できる。
また,「eHealth Suite Console」では,収集されたデータを元にレポートを生成したり,個別エレメントの状態推移を確認したりといった作業が可能だ。この際,エレメントをグループ単位にまとめて確認してもいいし,状況によってはドリルダウンを用いて個別に掘り下げて分析してもいい。
当然,各種監視項目にはしきい値を設定でき,それを超えた場合にはアラートが飛ぶことになっている。工夫が凝らされているのは,この判断の部分だ。
単に一定の値を超えたときに機械的に警告を出すのでは,重大な問題とそうでないものとの区別が付かず,管理者がかえって振り回されてしまう(侵入検知システムなどでもしばしば聞く例だ)。あまりに頻繁に警告が出るためそれを無視するようになる,などという笑えない話まであるようだ。
eHealth Suite 5.0はこの問題を,「Fault Manager」という機能で解決した。閾値に上限,下限を設け,しかも一定の時間内でパフォーマンスの推移を見ながら異常を判断し,警告を出す仕組みである。こうして警告の精度を高め,本当にクリティカルな問題だけが管理者に通知されるようになっている。
同製品は,このように事後の警告を発するだけでなく,パフォーマンスの推移を元に,今後のキャパシティプランニングに必要なトレンド分析を行ったり,インフラ内のどの部分がボトルネックになっているのかを見極め,問題を発見する手助けにもなるという。しかもバージョン5.0では,無線LAN製品やVoIP機器に対応したほか,QoSに準じたデータ量管理といった機能が加わった。
マネージドサービス,アウトソーシングなどが着目されている昨今だが,そうしたサービスにおいてはダウンタイムの削減と品質,つまりサービスレベルの維持が重要だ。言葉にすれば簡単だが,実際には非常に困難な作業である。サービスが広範になり,システムの複雑さが増し,管理者の負担が増大している中で,eHealth Suite 5.0のパフォーマンス管理機能は,「サービスプロバイダーのニーズにまさに合致する」(小野寺氏)という。
「パフォーマンス監視」という強みに特化
小野寺氏によれば,コンコルドは「あくまでもパフォーマンス監視という強みに特化し,オペレーションなど他の部分には手を出さない。米ゼネラル・エレクトリック(GE)と同じ手法で,強みに特化し,その部分を伸ばしていく」という戦略を取る方針だ。
とはいえ,パフォーマンス管理・監視市場も競争が激化している。既にチボリシステムズやBMCソフトウェア,コンピュータ・アソシエイツなど,多数のベンダーから同様に製品が提供されている。
これらに対するeHealth Suiteの特徴としては,レポート機能が充実しており理解しやすいこと,各コンポーネントにエージェントなどをインストールする必要がなく,“アウトオブボックス”ですぐに使えること,また既存の管理ツールや自社開発ツールとの連携が取りやすいことなどが挙げられると小野寺氏は説明する。
何より,「正直に言えば,これまで日本法人としての販売活動をあまり行っていなかったにもかかわらず,製品がいいから,黙っていても売れていた」(小野寺氏)という。現に,日本国内だけでも150社以上の顧客がある。
課題は,エンタープライズ市場の開拓になりそうだ。日本国内の顧客は,NTT東日本/西日本やNTTコミュニケーションズ,KDDI,日本テレコム,それにフュージョン・コミュニケーションズなどで,キャリア/ISPが中心。したがって今後は,セミナー開催などを通じてユーザーへの認知度を高めるとともに,中長期的なユーザー満足度を向上させるべく,各種マーケティング活動を展開していくという。
関連リンク
[高橋睦美 ,ITmedia]

