「UDB JAPANフェア2002」開幕,DB2 UDBの拡張性,可用性,パフォーマンスを証明

【国内記事】2001.12.13

 ニイウスとUDBジャパンは12月13日,各種セッション,デモンストレーション,展示ブースにより「IBM DB2 UDB」を中心とした最新データベースソリューションを紹介する「UDB JAPANフェア2002」を都内で開幕した。同イベントは,明日まで開催されている。

リゾート感覚に飾り付けられた「UDB JAPANフェア2002」の会場

 同イベントは,冷たい雨が降る東京の天気とは対照的に,やしの木や波の映像,そしてカリビアンサウンドが流れるリゾート感覚で飾り付けられた会場で開幕した。

 ビール缶から泡が吹き出す映像から始まったイメージビデオに続き挨拶に立ったニイウスの代表取締役社長,末貞郁夫氏は,「本当は沖縄などのリゾートで開催したかったが,会場の雰囲気だけでもリゾート感覚にしてみた。冒頭のビデオでビールの泡が吹き出していたが,これと同じ勢いでDB2 UDBの市場が拡大している」と話す。

 ガートナー/データクエストによれば,Windowsプラットフォームにおける2001年のデータベース売り上げ高のシェアでは,オラクルの約34%に対し,IBMが30%に迫っているという。同氏は,「日本では,若干状況が異なるが,近いうちにこの状況に近づけたい。そのためには,今日集まってもらったパートナー,ユーザーの強力が必要」と訴えた。

Regattaの日本1号機も展示

 展示会場のデモコーナーには,IBMのエンタープライズサーバ「IBM eServer zSerise」および「IBM S/390」をはじめ,サン・マイクロシステムズの「Sun Enterprise 10000」(Starfire),ヒューレット・パッカード(HP)の「hp superdome」など,そうそうたるサーバ群のほか,IBMのストレージシステム「IBM Enterprise Storage System(ESS)」と120台のクライアントPCが並べられ,このシステムを実際に利用したデモが紹介された。

各社の大型サーバ,ストレージ,120台のPCが勢ぞろいしたデモコーナー

 今回紹介されたのは,「高速トランザクション」「DB2 UDBのスケーラビリティ」「SAN/ESSの優位性」の3種類のデモンストレーション。

 高速トランザクションのデモでは,クライアントからの要求を処理するリクエスターとしてhp superdomeを,WebアプリケーションサーバとしてSun Enterprise 10000を,データベースサーバにIBM S/390を利用したシステムにより,1秒間に2800件以上のデータ登録を行うトランザクション処理がデモされた。一般的な銀行オンラインのトランザクションは,1秒間に1000件程度という。

 また,DB2 UDBのスケーラビリティのデモでは,hp superdomeをWebアプリケーションサーバに,Sun Enterprise 10000をデータベースサーバに利用したシステムを,まずは16CPUで稼動し,続いて32CPUで稼動することで,そのスケーラビリティを検証した。結果は,16CPUでは1分間に約1000件だった処理能力が,32CPUで2200件に増加し,リニアなスケーラビリティを実現して見せた。平均では,104%のスケーラビリティ向上を実現できるという。

 最後に,SAN/ESSのデモでは,LAN環境とSAN環境それぞれで,同イベントのオープニングに利用されたビデオを流し,SAN環境がどれくらいスムーズにビデオ配信が可能か,その高速性をデモした。

 これらのデモでは,すべてミドルウェアとしてIBMの「WebSphere」を,データベースとして「DB2 UDB」を利用しており,IBMの製品群とニイウスおよびUDBジャパンのSI技術により高い処理能力を搭載した大規模ミッションクリティカルシステムを実現できることを証明した格好だ。

ニイウスが購入した「Regatta」の日本第1号機。残念ながらデモはなかった

 さらにデモコーナーには,IBMが10月にリリースしたばかりの開発コード名「Regatta」と呼ばれていた「IBM eServer pSerise 690モデル681」も展示されていた。Regattaは,銅配線技術とSOI(シリコン・オン・インシュレータ)を採用したPower4プロセッサを搭載したIBMの次世代UNIXサーバ。最大で32CPUまでのSMP構成のほか,最大で256Gバイトのメモリと4.66Tバイトのディスクを搭載できる。IBMでは,既に本年の出荷台数を上回る受注があるという。

 同サーバは,日本向け1号機としてニイウスが購入したものだ。しかし残念ながら同サーバを利用したデモは見ることができなかった。

 なお,これらのシステムは,ニイウスが運営する「オープンシステムセンター」(東京都中央区)でも紹介されているという。

関連リンク

▼「UDB JAPANフェア2002」公式サイト

▼ニイウス

▼UDBジャパン

[山下竜大 ,ITmedia]