Linux Column:Linux「ゆく年くる年」(2002年くる年編)

【国内記事】 2001.12.25

 早くも2001年もあと1週間……,2002年は目の前だ。2002年になってからこのコラムを読んでいる読者の皆さんもいるかもしれない。そこで2001年最後の本コラムでは,慎重かつ大胆に2002年のLinux天気予報をお送りすることにした。

NASが大ブレイク

 IDEハードディスクの低価格化と容量100Gバイト超を踏まえて,2002年はNAS製品が大ブレイクの予感だ。特に,ファイルシステムとしてジャーナリングファイルシステムを採用する製品が急増するだろう。基本は,ソフトウェアRAIDによるミラーリングだが,ハードウェアRAIDによるRAID5製品も低価格化し,一気に加速する見込み……。

「Linux天気予報:晴れ」

クライアントOSとして出荷シェア5%に……

 期待のオフィス製品「StarSuite」のベータテストが終了し,出荷へと秒読み段階に入った。特に英語圏では問題が少ないため,低価格なオフィスクライアントとして,一気に普及をする可能性が高い。ここでは数値目標として,2002年の年間クライアント出荷数の5%がLinuxになると,大胆に予想してしまおう。

 日本の場合,日本語フォントや日本語入力ソフトの問題があるため,難しい面もあるが,仮にその問題が解消された場合,同じ程度とまではいかないものの1〜2%程度の出荷数を確保できるのではないだろうか?

 さらに大胆予想では,StarSuiteを開発しているサン・マイクロシステムズとしては,せっかく開発した製品をうまくビジネスにつなげたいところだろう。ソフトウェアのみを他社に提供するのでは旨味が少ないだけに,自社ハードウェア製品を出したいところだ。サンブランドも悪くないが,やはりここはインテルアーキテクチャでいきたいところだ。そこで子会社である「コバルト」ブランドでいわゆる「バリューPC」をリリースしてはどうだろう。価格はずばり499ドルでどうだ!?

「Linux天気予報:晴れところにより雹」

Linux搭載PDAが続々?

 2001年はPalmをPocket PCが猛追して一気に低価格化が進むなど,ちょっと旨味の薄くなってきたPDA市場。この領域でも一段のコストダウンをはかるため,ロイヤルティフリーのLinuxの採用が進むと予想される。特にPocket PCでは,後発になってしまい,対応アプリケーション不足に悩むARM陣営が起死回生の策としてLinuxを後押しするだろう。PDAだけでなく,プログラマブルな業務用ハンドヘルドコンピューターとして一気に普及する見込みも……?

「Linux天気予報:曇り,ところにより雷雨」

Linux NG(Next Generation)

 良くも悪くもUNIXらしくなってきたLinux。相変わらずとっつきにくさという点では,初心者の前に壁が立ちはだかっている。セキュリティの面では,Windowsは話にならないものの,Linuxも完全と言えるわけではない。インターネット時代をより強力に支える新世代OSが,オープンソースで開発が開始されるかも……?

「Linux天気予報:台風か……?」

 若干,荒唐無稽なところはあるかもしれないが,2002年のLinuxには一波乱ありそうな気がするし,2001年の閉塞状態を打破するためにも一波乱を期待したい。何かが起きるのを待つのではなく,出来ることからまずやる。2002年は「実践」の年にしたいものだ。

[宮原 徹びぎねっと]