Interview:「より積極的なビジネスモデルの構築を目指す」としたCAの三ッ森社長

【国内記事】2002.01.16

コンピュータ・アソシエイツ(CA)は先週,新しい3×6のストラテジーと7つのブランドに関する説明会を開催した。新しい戦略でCAは,より一貫性の高い,分かりやすいメッセージを顧客に伝えることを目的としているという。そこで,2002年の日本国内での戦略と2001年の総括についてCAの代表取締役社長,三ッ森隆司氏に話を聞いた。

CAの三ッ森社長(写真は2001年7月のcaworld 2001の会場で)

ZDNet まずは,2001年を振り返ってもらえますか。

三ッ森 1999年4月1日付けでCAの社長に就任しましたが,そもそもCAは技術中心の会社で,マーケティング展開があまりうまくない会社でした。そこでこの3年間は,まずはCAが日本国内でビジネスを展開していくための土台作りを進めてきました。2001年は,その土台がついに完成した年だと思います。

 その間は,さまざまな新製品を市場に投入したり,新しい会社を買収したりと,アグレッシブに活動したので,毎年2倍ずつの成長を記録できました。しかし2001年は,世界的な経済不況により,急速な成長は影を潜め,「緩やかな成長」になっています。これも2001年の大きな特徴の1つといえるでしょう。

 そのため今後しばらくは,「地に足の付いたビジネス戦略」を模索していく必要があるでしょう。その意味でも,2001年にビジネスの土台が完成したのは大きな収穫だと思います。

ZDNet それでは,2002年にはどのようなビジネスの展開を考えていますか。

三ッ森 売り上げや会社の成長などを数値だけでみれば,2001年も大きな問題はありませんでしたので,ビジネスのやり方自体を大きく変更することはありません。ただし,(こういったご時世ですから)よりアクティビティの高いビジネスモデルの構築が必要になるでしょう。

 これまでCAは,毎年2月に大きな会社組織の変更を行ってきました。例えば1999年にはプラチナムを,2000年にはスターリングソフトを買収しました。2001年は,企業の買収こそありませんでしたが,大規模な社内の組織変革を行っています。2002年2月にも何か大きな変革があるかもしれません。

 また2001年に,チャネルビジネスを30%拡大することができました。ですから2002年には,パートナーとの協力関係をより緊密にし,チャネルビジネスをさらに拡大したいと考えています。

ZDNet 今回,新しい3×6のストラテジーと7つのブランドを発表されましたが。

三ッ森 CAは現在,1200種類以上の製品をワールドワイドで展開しています。この中には,自社で開発したものもあれば,企業の買収によりCAの製品になったものも含まれています。ですから,CAとして顧客にどのような価値を提供できるかをトータルに考える必要があるのです。今回の新しい3×6のストラテジーと7つのブランドは,もっと分かりやすい戦略をという顧客からの要望に応えたものです。

 実際,これによりかなりシンプルになったと思います。

ZDNet レンジャー・ガバナンスの社長,サム・ワイリー氏との委任状獲得戦では,一応CAの経営陣が勝利を収めましたが,2002年にこの一件がCAにどのような影響をもたらすのでしょう。

三ッ森 大きな影響はないと思います。逆に,この一件でCAの社員は,より団結力を増したと思います。CAは25年続いている会社なので,新しくCAに入社した社員がCAという会社やチャールズ(・B・ウォン会長)の人柄を理解するいい機会になったと思います。

 今回,チャールズは,本当に一生懸命にCAのこれまでや今後のことを社員と一緒に考えてくれました。その気持ちが,世界中の全CA社員に伝わったのだと思います。

ZDNet 最後に,年末年始はどのように過ごされましたか。

三ッ森 年末年始は,家でのんびりしてました。常に厳しい世界でビジネスを行っていますので,休息は絶対に必要です。ただ,1日だけ「ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル」に宿泊してリフレッシュしてきました。

 いいんですよ! これが……(笑い)。

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[山下竜大 ,ITmedia]