低コストBPRでSAP導入,DTC,IDSシェアー,SAPジャパンが提携

【国内記事】2002.01.17

 デロイトトーマツコンサルティング(DTC),IDSシェアー・ジャパン,SAPジャパンの3社は1月17日,日本におけるmySAP.com導入促進および導入期間短縮,そして日本企業に対するBPR(Business Process Reengineering)コンサルティングを高品質なものにするために提携すると発表した。

(左から)SAPジャパンの藤井清孝社長,DTCの西岡一正社長,IDSシェアー・ジャパンの柳堀紀幸社長,IDSシェアーのアウグスト・ウィルヘルム・シェアー会長,IDSシェアー・ジャパンのマティアス・キルヒマーCEO

 今回の提携でDTCは,本社内に「プロセス・マネジメント・センター」(仮称)を設置。独自のBPR方法論および業界別の導入テンプレートを集積するほか,IDSシェアーのモデリングツール「ARIS」を利用したコンサルティング手法も確立する。一方のIDSシェアーは,ARIS活用で成果を上げたmySAP.com導入プロジェクトのノウハウをDTCに提供する。

 ARISは,IDSシェアーが提供するビジネスプロセスマネジメント(BPM)製品で,同製品上に描いたビジネスプロセスの変更で起こる現場への影響をシミュレートして,最適なものへとアップデートできる。

 同センターの支援を受けてDTC主導で展開するSAP導入プロジェクトでは,ARISを利用し,高品質なコンサルティングサービスの提供と導入期間短縮を可能にするという。

 また,ARISを導入前検証時にも利用することで,現行ビジネスプロセスとシステム稼動後の新ビジネスプロセスをどちらもマッピングできるため,BPRの簡素化に役立てることも期待されている。

「われわれは,ビジネスプロセスの見直しの際に,他社の事例について顧客と一緒になって勉強する。ここにARISをはめ込むと,プロジェクト期間の短縮に繋がり,ユーザーはメリットを享受するはずだ」(DTCの西岡一正社長)

 そのほか3社は,SAPジャパンが2002年の重点目標のひとつに定めている中堅企業向けソリューションテンプレート開発および業種別ソリューションの開発でも協業する。製造・電力・通信業界向けソリューションを手始めに,流通・金融業界向けの導入方法論も確立したい考えだ。

 DTCでは,既にARISを使ったSAP導入を進めており,2002年第2四半期をめどに,同社のすべてのSAPコンサルタントがARISを使ってSAPを導入できるようにする計画という。

関連リンク

▼デロイトトーマツコンサルティング

▼IDSシェアー・ジャパン

▼SAPジャパン

[井津元由比古 ,ITmedia]