テクマトリックス,米パラソフトのJavaテストツール「Jtest」の最新版を発表

【国内記事】2002.2.14

 テクマトリックスは2月14日,米パラソフトが開発したJava対応自動ユニットテストツールの最新バージョン「Jtest 4.2日本語版」の販売を開始したことを発表した。出荷の開始は2002年3月末を予定。テクマトリックスは2000年5月に,パラソフトと同ツールの販売代理店契約を締結し,現在,日本語版のバージョン3.3を国内展開している。

Jtest 4.2では,ソースコードの静的解析やホワイトボックステスト,ブラックボックステスト,回帰テストの基本機能に加え,DbC手法など多くの追加機能を搭載

 Jtest 4.2日本語版は,Javaアプリケーション開発におけるテストケースの生成からテストの実行までを自動化するユニットテストツールの最新版。同テストツールを利用することで,ソースコードを静的に解析し,エラーとなり得るコードを自動的に検出することができるほか,クラスレベルでの「ホワイトボックステスト」や「ブラックボックステスト」および「回帰テスト」を実行することができる。

 最新バージョンでは,コメント行に条件を記述することで,ブラックボックステストの精度を向上させる独自の技術である「Design by Contract」(DbC)が搭載されたほか,JUnitテストクラスのテンプレートを自動生成し,JUnitに取り込むことも可能になっている。また,JDK 1.3のサポートやServlet/JSP/EJBの自動テスト,「Borland JBuilder」「VisualAge for Java」「IBM WebSphere」との連携などの機能が拡張されている。

 日本語では,「契約による設計」と訳されるDbCは,プログラムの正当性を検証するための手段として,Javaのクラスやメソッド(モジュール)の権利あるいは義務を文書化するための手法として定義されたもの。同手法は,バートランド・メイヤー氏がオブジェクト指向言語「Eiffel」で採用した概念で,現在,Javaへの応用が進められている。今回,その成果の1つがJtestに実装されたという。

 なお,DbCの詳細(英語版)は,EiffelのWebサイトで紹介されている。

パラソフトのブライアン・ゲイザー氏(写真左)とカーソン・エルスウォース氏

 来日したパラソフトのシステムエンジニア,カーソン・エルスウォース氏は,「コードの動作を定義するための体系化されたコメントの記述方式であるDbCは,最新バージョンでもっとも特徴的な機能だ。また,問題となるJavaソースからユーザー定義ルールを生成できる機能により,ユーザーは独自のテスト体系もサポートできるので,非常に魅力的な機能になるだろう」と話す。

 また,同社の国際ビジネス担当ディレクター,ブライアン・ゲイザー氏は,「アプリケーション開発工数の80%はデバッグに費やされている。デバッグを効率化し,その余力を本来の業務に向けることで,企業は市場での競争力をより一層強化することが可能になるだろう」と言う。

「われわれのソリューションにより,どれくらいの工数が削減できるかは,プロジェクトの状況や企業の体制など,さまざまな条件に左右されるため一概には言えないが,かなりのデバッグ工数を削減し,ROIに貢献することは約束できる」(ゲイザー氏)

 プラットフォームは,Windows NT 4.0/2000をサポート。Solaris,Linuxについても対応を予定している。価格は,1ライセンス当たり49万8000円より。なお,2月14日以降に,原稿バージョン3.3を購入したユーザーは,バージョン4.2への無償アップグレードパスが提供される。

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[山下竜大 ,ITmedia]