コンパック,変化に対応できるIAブレードサーバ「ProLiant BL e-Class」を発表

【国内記事】2002.2.19

 コンパックコンピュータは2月19日,都内で記者発表会を行い,同社が掲げるIAサーバ向けの新ビジョン「アダプティブ・インフラストラクチャー」に基づいた第1弾製品のブレード(刀身)型IAサーバ「ProLiant BL e-Class」シリーズを発表した。また,運用に必要な機能を提供する「ProLiant Essencials Software」というサーバ管理のソフトウェア戦略も発表し,第1弾製品として「Rapid Deploymentパック」を3月下旬から提供することも併せて明らかにしている。

 同日にデルコンピュータがIAサーバを2モデル発売するなど,新年度に向けた企業市場がにわかに活気づいてきている。

 アダプティブ・インフラストラクチャーは同社が2001年12月に発表されている。「変化するビジネス環境に柔軟に対応できるコンピューティング環境」を意味し,「バーチャルプレゼンスとコントロール」「システム監視の自動化」「インテリジェントな障害復旧」「ダイナミックなリソースの割り付け」の4つを柱としている。

ProLiant BL10eサーバブレードを片手に話す米コンパックのポール・ミラー氏

 発表されたProLiant BL e-Classは,超薄型で電力効率にも配慮した企業向けサーバ製品だ。キャッシングやWebサービスといったフロントエンドアプリケーションを対象としているという。

 このProLiant BL e-Classは,「ProLiant BL10e サーバブレード」「ProLiant BL e-Class サーバブレード エンクロージャ」「インターコネクトトレイ」の3つのコンポーネントで構成される。

ProLiant BL10eサーバブレード(左)とサーバブレードエンクロージャ,インターコネクトトレイ(右)

 特徴として,迅速な導入やメンテナンス性の高さ,リソースの動的な割り当て,また,遠隔地からも管理がしやすいことなどを挙げている。

 来日した米コンパック,インダストリースタンダードサーバ事業部でメインストリーム製品担当本部長を務めるポール・ミラー氏は,「サーバ保守を電球を交換するくらい簡単に」と話す。

 これまではマニュアルで行っていたようなサーバ設定も,ProLiant BL e-Classと同日に発表された管理用ソフトウェア「Rapid Deploymentパック」というハードとソフト両方のアプローチにより,かなりの部分が自動化されるという。

 例えば,「ラック25,スロット2のサーバをExchange Serverに設定してほしい」という要望あった場合,対象となるブレードサーバを外し,Exchange Serverが搭載されている別のブレードサーバを入れれば,後は自動的に設定が済むという。

「土日は稼働率の低いExchage Serverを,週末だけデータベースのタスク実行用に使うこともできる。サーバ増設をせずに効率的に利用できる」(ミラー氏)

 ユーザーのメリットとしては,自動化によるサーバ設定工数の短縮化とそれによる人件費の削減効果だ。同社の調べでは,マニュアルで93人時間かかっていた作業が,自動化後は33時間となり,64%の時間をセーブしたとしている。

 なお,Rapid Deploymentパックは,Proliantファミリーの効率的な構築および運用を実現する「ProLiant Essencials Value Packs」の第1弾となるソフトウェア製品だ。ProLiantファミリーと融合して,リモート環境からシステム全体を適切に管理できる「バーチャルデータセンターアーキテクチャー」を実現していくという。

 ProLiant BL10e P700ULV-512K 512Mバイト 30Gバイトのモデルは,プロセッサに超低電圧版Pentium III 700MHzが利用されている。キャッシュメモリは512Kバイト/CPU,チップセットは,ServerWorks LELP 3.0,メモリは 標準で512Mバイト(ECC SDRAM 133MHz),最大1024Mバイト,ディスクサブシステムハードディスクドライブ(内蔵)は, 30GバイトATA/100 4200回転ノンホットプラグ2.5インチハードディスクドライブ,ネットワークは2×NC3163 Fast Ethernet NIC WOL(オンボード),10Base-T/100Base-TX(自動認識)となっている。価格は30万円で,10台セットの場合は280万円。3月下旬の出荷を予定している。

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[怒賀新也 ,ITmedia]