Webサービス対応の「Borland C++Builder 6」は.Netも準備中
| 【国内記事】 | 2002.2.19 |
ボーランドは2月19日,WebサービスをサポートしたC++ビジュアル開発ツールの新製品「Borland C++Builder 6日本語版」の販売を開始した。同製品の出荷開始は2002年3月19日を予定。Personal版,Professional版,Enterprise版の3製品が提供される。
Borland C++Builder 6日本語版は,同社のBorland DelphiやマイクロソフトのVisual Basicと同様の操作性と既存のソフトウェア資産を有効利用した豊富なソフトウェア部品の活用により,C++システム開発における高い生産性を実現できるビジュアル開発ツール。ANSI C++準拠のコンパイラやデータベース技術,インターネットプロトコル,分散技術など,業界標準技術の採用により,将来的なソフトウェア資産の有効活用も可能という。
最新バージョンでは,SOAPおよびWSDLを利用したWebサービスを実現できるほか,Windows環境とLinux環境でのクロスプラットフォーム開発機能,ダイナミックなWebシステム構築,分散アプリケーションのビジュアル開発など,さまざまな機能が搭載されている。
Webサービス開発機能を提供する「BizSnap」は,容易な操作によりSOAPに対応したWebサービス対応のシステムを開発することが可能。Webサービスを利用するクライアントおよびサーバの機能を開発することができる。これにより,分散したさまざまな環境下にあるサービスやアプリケーションを,企業システムにシームレスに連携することが可能な仕組みを提供する。
また,Webアプリケーションをダイナミックに開発できる「WebSnap」は,マイクロソフトのWebサーバであるIISやApache Webサーバ上で動作するWebアプリケーションをビジュアルに開発できる新機能。アプリケーションの開発だけでなくソースレベルのデバッグも可能で,パフォーマンスが要求されるWebアプリケーションを,C++を利用して効率的に開発することができるという。
さらに,Windows環境とLinux環境でのクロスプラットフォーム開発を実現するコンポーネントライブラリ「CLX」を搭載。2002年第2四半期に予定されているLinux版のC++Builder(製品名は未定)がリリースされることにより,シングルコードのアプリケーションをマルチプラットフォームに展開することが可能になる。CLXは,同じくボーランドが提供しているDelphi 6およびKylixにも搭載されている。
ボーランドの代表取締役社長,安藤由男氏は,「ボーランドの企業理念は,既存のシステム資産を生かしながら,JavaやWebサービス,.Net,Linuxなどの最新技術をシステム開発に取り入れることができる仕組みを提供すること。また今後は,システムの開発だけでなく,上流工程の設計や品質保証,運用管理サポートなど,アプリケーションライフサイクル管理(ALM)全体を支援するソリューションを提供していく計画だ」と話している。
なお,米ボーランド・ソフトウェア・コーポレーションは2月12日に,DelphiおよびC++Builderを,マイクロソフトの「Microsoft .Net Platform」に対応することを明らかにしている。Microsoft .Net FrameworkをサポートするDelphiおよびC++Builderのリリースは2002年後半を予定。製品名や製品概要,価格などは,現在のところ明らかにされていない。
Borland C++Builder 6日本語版の価格は,C++の学習を目的としたPersonal版が1万円,小規模なシステム開発向けのProfessional版が6万8000円,Webサービス構築など大規模システム開発向けのEnterprise版が36万円。日本全国の主要量販店および「ボーランドストア」で販売される。
関連リンク
[山下竜大 ,ITmedia]
