Linux Column:サンの参入でどうなる? Linuxサーバ業界

【国内記事】 2002.2.19

 サン・マイクロシステムズが本格的にLinuxへの参入を決めた。力の入れ具合はSPARCに比べればいまひとつだったが,元々インテルアーキテクチャ用のSolarisも出していた。対応ソフトウェアおよびハードウェアが少ないのが難点だったのだが……。

 どうして同じPCアーキテクチャなのにLinuxが伸びて,Solarisが伸びなかったのか? 理由は幾つかあるのだろうが,とにかく「いまいちだった」ということだろう。

 筆者自身は,年初の予想でサンがLinux採用の低価格デスクトップを投入すると予測しているだけに,「うーむ,はずれたか」と思ったが,それはともかくとしてこの動きの市場に対してのインパクトはいかほどのものだろうか。

 実際,サーバは売れなくなってきている。パソコンだって売れていないのだから,自然とサーバも売れなくなるだろう。筆者の感覚から言ってしまえば,現在最も足りないのはCPUパワーでもマシンの台数でもなく,ネットワークの帯域幅だ。色々なパフォーマンス実験をしていても,一番最初にボトルネックになるのはいつもネットワークだ。

 だから,しばらくはサーバの需要は大きな伸びは見せないだろう。FTTHなどの普及が一巡すればまた違った需要も出てくるだろうが,それはもう少し先になる。そのような状況でサンのようなトッププレイヤーが参入してくることが,市場を活性化させるのか,それとも既存のパイを食い合うだけなのか興味深いところだ。

 どうせやるならば,是非とも前者となるような展開を見せてくれることを期待したい。

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[宮原 徹びぎねっと]