Linux Column:「OS選びの意味」

【国内記事】2002.2.26

 先週は色々と面白い機会にめぐまれた。そして「OS選びとは一体何なのか」ということを考えさせられる1週間だった。

 まずは,IPv6普及・高度化推進協議会で,いろいろな話を聞いてきた。IPv6は次世代のインターネットを支える新しいIPプロトコルだが,同協議会は実験などを通してIPv6の普及促進を進めている。

 また土曜日には,ぷらっとホームで行われた,OpenBlockSの事例コンテストに特別審査員として参加した。非常に多くの,ユニークな活用事例が寄せられていた。

 翌日の日曜日にはさらに,これまたIPv6がらみだが,小田急が実施しているモーバイルIPv6の実験を体験するために,新宿から箱根まで特急電車に乗ってみたりもした。

 さて,この3つの機会を通して見てみると,1つのキーワードが見えてくる。最近流行りの「ユビキタス」だ。

 IPv6は,間違いなくインターネットの双方向性を担保するものだろう。今のところIPv6になってどうなるのか,というのは想像の範ちゅうを超えていないが,インフラなどというものは,変わってみてからでないとその上で何が起きるかなどというのは分からない。

 そして,OpenBlockSの事例で多く寄せられたのが,そのコンパクトさを活かしてのリモート監視のソリューションだ。これも,徐々にネットワークが各家庭にまで広がってきており,その回線を利用したソリューションが期待されている,あるいは研究されているということだろう。

 さらに,移動している電車の中でまで,ノートPCと無線LANでインターネットが楽しめる。

 かたやOSはLinux,かたやOSはWindows 2000だったりしたのだが,その辺りは好みだったり使いやすさだったり,ハード的な制限だったりと理由は色々とあろう。しかし,世の中がネットワークでつながっているということが,徐々にではあるが使用しているOSが何なのか,という意味を徐々にではあるが薄めてきているような気がする。

 そういえば22日にはXboxが発売された。これも中でOSが何が動いているのか,などというある意味マニアックな見方ではなく,そこでどんな面白いゲームが出来るのか,ということのほうが売れ行きに大きな影響を及ぼすだろう。

 確実に,OSに何を選ぶのかということが重要な意味を及ぼす範囲は,狭まりつつあるようだ。

[宮原 徹びぎねっと]