Interview:「顧客に最適なWebLogicソリューションをベストな価格で提供する」

【海外記事】2002.2.28

米BEAシステムズは,カリフォルニア州サンディエゴで開催中の「BEA eWorld 2002」カンファレンスにおいて,J2EEアプリケーションサーバの最新バージョン「BEA WebLogic 7.0」およびアプリケーションインフラ製品「BEA WebLogic Platform 7.0」を発表した。そこで,米BEAのWebLogic Server担当シニアプロダクトマーケティングマネジャー,エリック・スタール氏にWebLogic戦略について聞いた。

「顧客に最適なWebLogicソリューションを提供する」と話すスタール氏

ZDNet WebLogic Server 7.0では,どのような機能が強化されたのでしょう。

スタール いくつかの機能が強化されています。まずは,開発者のための生産性の向上が挙げられます。今回,サーバそのものの中に新しいツールが搭載されています。例えば,アプリケーションをWebLogic Serverに対してパッケージングしたり配布するためのGUIツールが提供されています。

 また,管理のための生産性を向上させる工夫もなされています。例えば,BEAの顧客には,非常に大規模なクラスタ構成を実現しているサイトがあります。この場合でもクラスタシステムの導入や構築,管理を容易にするツールが提供されています。これは,新しいウィザードを利用したクラスタ環境の設定が可能です。アプリケーションの状態を監視するための管理コンソールも提供されています。

 さらに,インテグレーションサービスに関する機能です。例えばわれわれは,Webサービスにおいて,非常に広い分野にフォーカスしています。これは,WebLogic Serverにおいても,WebLogic Workshopにおいても同様です。Webサービスを越えてCORBAや.Netと連携したり,メッセージングなどのオブジェクトバスを利用することもできます。

ZDNet WebLogic Server 7.0は,WebLogic Platform 7.0の中核としても位置付けられているわけですが,アプリケーションインフラとして統合性,単純性,拡張性を実現するために,どのような工夫がなされていますか。

スタール WebLogic Platformの基盤として,ほかの製品とより緊密な統合が可能な機能が搭載されています。例えば,単一のパッケージで提供され,単一のインストーラで導入でき,単一のコンフィギュレーションが可能で,単一のドキュメントが提供されます。このように,あらゆる面で統合化されています。

ZDNet ECperfのJ2EEベンチマークで,WebLogic Server 7.0を利用したソリューションが,IBMのソリューションよりも良い結果を実現したという発表がありましたが,この発表はBEAにとってどのような意味を持つのでしょう。

スタール ECperfは,非常に興味深いベンチマークテストです。ベンダーに依存しない,客観的で信頼できるテストを実行できるからです。これまでIBMやオラクルは,独自のベンチマーク方法を利用して,自分の製品が一番早いと発表してきました。ですから,ECperfのような客観的な方法で,われわれのソリューションが,パフォーマンスで25%,トランザクションコストで47%,優れていたということは非常に意味のあることだと思います。

ZDNet ただ,ベンチマーク結果の差は,もしかしたらアプリケーションサーバの性能ではなく,ハードウェアの性能だという可能性はありませんか。

スタール 今後,さまざまなハードウェアでテストして,どのような結果が出るかを分析する必要はあるでしょう。ただ興味深いことに,インテルのテストでは,WebLogic Serverを搭載したIAサーバが,WebSphereを搭載したAIXサーバよりもよいベンチマーク結果を残したという報告もあります。

ZDNet 今回,インテルとの提携により,IAサーバをエンタープライズの領域でも利用していくという発表をされましたが,サンのサーバを選ぶか,インテルのサーバを選ぶかは顧客自身の選択ですか。それとも,選択のための指針をBEAが提供するのですか。

スタール BEAが提供するプラットフォーム製品は,ハードウェアやOSが何であろうとも利用することが可能です。もちろん,ハードウェアベンダーが,われわれと協力して,最適化を進めることは今後も考えられるでしょう。しかし,最終的にどのハードウェアを選ぶかは顧客の自由です。

 われわれは,今後もサン,インテルともに協力関係を拡大していきますし,今回,IBMのメインフレームをサポートすることも発表しました。BEAの戦略は,顧客に最適なソリューションをベストな価格で提供するということなのです。

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▼BEAシステムズ

[山下竜大 ,ITmedia]