「ASICはネットワークプロセッサに置き換えられる」インテルが新型ネットワークプロセッサを発表

【国内記事】2002.2.28

 インテルは2月27日,XScaleテクノロジをベースとした新たなネットワークプロセッサ,3製品を発表した。米国で開催中の開発者向け会議,「インテル・デベロッパ・フォーラム(IDF)Spring 2002」でリリースされたものだ。

 インテルでは,ネットワーク上のASICはすべてネットワークプロセッサに置き換えられるというビジョンの下,アクセスからエッジ,コアネットワークに至るまで,あらゆる市場にIXAアーキテクチャベースの製品を投入していく方針だ。またインテルはストレージ市場も視野に入れており,ネットワークストレージ機器をターゲットとしたI/Oプロセッサ「IOP321」も同時に発表された。

 新製品のうちローエンドの「IXP425」は,DSLやCATVなどを用いてインターネットに接続する宅内機器向けのネットワークプロセッサだ。USBや低速シリアルインタフェースを搭載するほか,暗号化用エンジンを組み込んでおり,暗号化通信時でもフルに100Mbpsのスループットを実現するという。またVoIP処理をサポートする機能も組み込まれる。IXP425は今年第3四半期に出荷される予定で,価格は1万ロット時で4000円〜6900円だ。

 一方「IXP2400」と「IXP2800」は,エッジやメトロネットワーク,コアネットワークをターゲットとしたプログラマブルなプロセッサ。IXP2400は最大2.5Gbps(OC-48),IXP2800では最大10Gbps(OC-192)というラインレートのスループットを,暗号化やトラフィック管理といったさまざまなサービスを実行しながら提供するという。これは,プロセッサ内に組み込まれた複数のマイクロエンジンが並行してパケット処理を行う「ハイパー・タスク・チェイニング」という新技術によって可能になったものだ。

 IXP2400の価格は,動作周波数600MHzのものが5万2000円,400MHzは3万3750円。またIXP2800は,動作周波数1.4GHzのものが10万250円,1.0GHzが7万2500円となる(いずれも1万ロット時)。今年第3四半期よりサンプル出荷が開始され,第4四半期以降,量産が開始される予定だ。同時に,サードパーティによる開発作業を支援するため,開発キットも提供していく。

 なお今回の発表に合わせ,IDTおよびモンタビスタソフトウェアがそれぞれ,これら新ネットワークプロセッサをサポートする意向を表明している。

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