米カアネットワークス,日本オフィス設立でIPv6やワイヤレス分野を強化
【国内記事】 | 2002.4.02 |
米カアネットワークスは4月2日,同社が開発・販売するネットワーク機器に対する負荷テストおよび評価テストを行うためのアプライアンス製品を日本市場に展開することを目的とした日本オフィスを設立することを発表した。
日本国内では2001年3月より,住商エレクトロニクス,東京エレクトロン,東陽テクニカ,日商エレクトロニクスの販売代理店4社を通じ,主力製品である「WebAvalanche」および「WebReflector」を販売しており,既に国内20社に導入した実績があるという。今年3月までの1年間で,2億5000万円の売り上げを達成したととしている。
今後は,まず年内をめどに日本オフィスを株式会社にすることを目指すという。また,販売代理店との関係を強化するとともに,IPv6やワイヤレスプロトコルなどのサポートなど,日本が先行している分野に関する技術支援を米国本社に提供していく計画だ。今後1年間で,5億円の売り上げを見込んでいるという。
そのほかワールドワイドでは,SOAPを利用したWebサービスのサポートを中心としたエンタープライズ分野へのビジネスの拡大を予定している。同分野についての詳細は,2002年10月ごろに明らかにされる予定という。
現実世界での許容量を評価
米カアネットワークスの主力製品であるWebAvalancheおよびWebReflectorは,実験室でなく現実のネットワークに近い環境で負荷テストや評価テストを可能にするアプライアンス製品。WebAvalancheでは,最大100万人のユーザーが一度にアクセスするのと同様の負荷をかけることを目的とした製品で,一方のWebReflectorでは,負荷テストや評価テストを検証するためのWebサーバをエミュレートすることを目的とした製品だ。
負荷テストや評価テストを可能にする「WebAvalanche」 |
1台のWebAvalancheで,最大,毎秒100万コネクション,20万トランザクション,1600のSSLセッションを確立することが可能。これにより,ネットワーク機器やWebサーバの性能の限界の測定やWebサイト全体の性能評価,スケーラビリティの評価などを,GUIにより容易にテスト環境を作成し,テストを行うことが可能になる。
テスト環境としては,9600bps〜1Gbpsまでの回線速度のエミュレーションをはじめ,パケットロスの設定,Webサイトを移動する利用者の行動の設定など,インターネットを利用するさまざまなユーザーの振る舞いを完全にエミュレートすることが可能という。
また,WebReflectorは,複数のWebサーバやアプリケーションサーバ,データベースサーバなどのパフォーマンスやオペレーションをエミュレートすることが可能。Webサーバ単体のテスト環境だけでなく,クラスタリングされたテスト環境を短時間で作成することができる。また,異なるシミュレーション環境での製品確認も可能という。
負荷テストや評価テストを行う製品としては,SpirentやIXIA,マーキュリー・インタラクティブなどがあるが,SpirentやIXIAなどはレイヤ2〜3,マーキュリーなどはレイヤ7以上での負荷・評価テストにフォーカスしており,同社はレイヤ4〜7でのテストが可能。同社は,この分野の負荷・評価テストツールはほかにはないと話している。
価格は,WebAvalancheが約550万円より,WebReflectorが700万円より。
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[山下竜大 ,ITmedia]