エンタープライズ規模の仮想コンピューティングを実現するVMware

【国内記事】2002.4.18

 ネットワールドは4月18日,同社が実質的な国内総代理店となっている米VMwareの仮想化ソフトウェアの最新バージョンの国内発表にあわせ,世界でも初めてとなる「VMware Conference」を開催。オープニングには,米VMwareの社長兼CEO(最高経営責任者),ダイアン・グリーン氏が登場し,VMwareのエンタープライズ仮想コンピューティング戦略について明らかにした。

米VMwareの社長兼CEO,ダイアン・グリーン氏

 VMwareは,スタンフォード大学で研究開発された技術をベースに,1998年に創設された仮想コンピューティング企業。インテルアーキテクチャ上で,メインフレームクラスの性能を実現可能にする仮想コンピューティング技術を提供。グリーン氏は,「常に顧客の視点に立った仮想コンピューティング環境を,さまざまなパートナーとともに実現することが同社のビジョン」と話している。

 VMwareでは1999年5月に,最初のバーチャルマシン製品となる「VMware Workstation」を発表。その後,ワークグループ向けの「VMware GSX Server」およびエンタープライズ/データセンター向けの「VMware ESX Server」を2001年に発表。シスコシステムズやSAP,メリルリンチなど,多くの企業に製品や技術を提供している。

 日本国内でも,同カンファレンスで最新事例として紹介された東北電力をはじめ,キヤノン,IIJ,タクトシステムズなどの企業のほか,ICUや京都大学など,多くの企業や教育機関,団体などで利用されているという。

 また,IBMやマイクロソフトとの強力なパートナーシップも展開。特にIBMとは2002年2月に,提携関係の強化を発表している(2月20日の記事参照)。

 今後は,64Gバイトのメモリをサポートし,より大規模な仮想コンピューティングを実現する「VMware ESX Server 1.5」を5月に,大容量メモリのサポートやクラスタリングが強化された「VMware GSX Server 2.0」を6月に,それぞれリリースする計画という。

「IBMとの強力により,大容量メモリやシステム管理環境の統合など,より大規模な仮想コンピューティング環境を容易に構築,運用できる仕組みを提供していきたい。また,ブレードサーバなどの新しいハードウェアの対応も計画している」(グリーン氏)

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[山下竜大 ,ITmedia]