ワイヤレスLAN監視機能を装備した「Unicenter」

【海外記事】2002.4.22

 米コンピュータ・アソシエイツ・インターナショナル(CA)は4月22日,エンタープライズマネージメントを実現するe-ビジネスインフラ管理ソリューション「Unicenter」を拡張し,ワイヤレスおよびモーバイル環境を管理するための2つのソリューションを提供することを明らかにした。

 同発表は,CAがフロリダ州オーランドのオレンジカウンティコンベンションセンターで開催している「caworld 2002」カンファレンスにおいて発表されたもの。同ワイヤレスソリューションを利用することで,企業は複数ベンダーのワイヤレス環境を容易に企業ネットワーク上に展開し,運用・管理することが可能になるという。

 今回発表された「Unicenter Wireless Network Management」(Unicenter WNM)および「Unicenter Mobile Device Management」(Unicenter MDM)と呼ばれる2つの製品は,従来のUnicenterが有線LAN上で実現していたリソース管理やパフォーマンス管理,キャパシティプランニングなどのe-ビジネスインフラ管理ソリューションを,ワイヤレスおよびモーバイル分野に拡張したものだ。

ワイヤレスLAN上のデバイスを自動検出しビジュアルに表示。デバイスに問題が発生すると赤く表示される

 例えば,IEEE 802.11bに対応したワイヤレスLAN上で,PocketPCやPalmデバイス,BlackBerryデバイスなどのPDAやハンドヘルドデバイスを自動的に見つけ出すほか,コンフィギュレーション管理やソフトウェア配布,ウイルススキャン,外部からの不正な侵入をロックダウンする機能などが搭載されている。

 Unicenter WNMは,無線ネットワークのための包括的な管理およびセキュリティソリューションを実現する製品で,ワイヤレスアクセスポイントや無線デバイスの自動検出やワイヤレスLANトポロジーの可視化,重要な設定データやイベント管理,可用性,パフォーマンスなどの情報収集,外部からの侵入検知機能などを提供する。

 一方,Unicenter MDMは,PocketPCやPalmデバイス,BlackBerryデバイスなどを含むモーバイルプラットフォームの設定やセキュリティ,監視などの包括的な機能を搭載。デバイスの認識や設定変更管理,自動ソフトウェア配布,ウイルス対策,VPNによるセキュアコミュニケーションなどの機能を利用できる。

 両製品ともに,Unicenterの最大の特徴ともいえるモジュラー化されたアドオン製品として提供される。これにより,「レゴブロック」を組み立てるように,Unicenterに自由に搭載,取り外しが可能なほか,それぞれの製品単独でも利用することが可能という。

Unicenterの新製品を発表する米CAのヨゲシ・グプタCTOとパートナーの代表者

 米CAのCTO(最高技術責任者),ヨゲシ・グプタ氏は,「企業システムだけでなく,今後ワイヤレス環境は,ますます拡大していくことになる。ワイヤレスデバイスの拡大により,今後のe-ビジネスは大きく変化することになる。そこで,ワイヤレスデバイスをリアルタイムに監視できる仕組みが必要になってくる」と言う。

「ワイヤレスおよびモーバイル環境を有効に利用して最大のビジネスの価値を得るためには,最適なネットワーク,プラットフォームおよびアプリケーションを構築し,高度な管理能力を搭載した管理ツールによる監視環境を実現しなければならない」(グプタ氏)

 Unicenter WNMおよびUnicenter MDMの出荷開始は,2002年夏ごろを予定。価格などの詳細は,出荷の発表と同時に明らかにされる予定という。

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▼コンピュータ・アソシエイツ

[山下竜大 ,ITmedia]