Interview:「われわれの本質を煮詰めていくと“インテグレーション”というエッセンスが残る」とCA副社長
| 【海外記事】 | 2002.4.30 |
米コンピュータ・アソシエイツ・インターナショナル(CA)が先週,フロリダ州オーランドで開催した「caworld 2002」では,「顧客へのフォーカス」と「技術革新へのフォーカス」の2つのテーマが強調された。そのうち,技術革新へのフォーカスで重要になるのがWebサービス技術という。そこで,CAのマーケティング担当副社長,カール・ハルトマン氏に,同社のWebサービス戦略とその中核となる新製品「CleverPath Portal 4.0」について話を聞いた。
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| 「オープンスタンダードの採用はCAの企業理念」とハルトマン氏 |
ZDNet caworld 2002では,CAのWebサービス戦略の中核となるCleverPath Portal 4.0を発表されました。この製品は,どのような特徴をもつ製品なのでしょう。
ハルトマン CleverPath Portalは,100% Pure Javaで開発されています。それだけではなく,XMLやSOAP,UDDI,WSDLなど,さまざまなインターネット標準,Webサービス標準技術などを搭載しています。基調講演でサンジェイ(・クマーCEO)が,CleverPathによりどのようにWebサービスを実現していくかを,デモにより紹介しています。
われわれは,このCleverPath Portalを提供することで,Webサービスをさまざまな形で展開していくことが可能になることに大きな期待を寄せています。これにより,かれわれの顧客企業もWebサービスがより重要な技術になるということを十分に理解することができるようになると思います。
ZDNet 現在,さまざまな企業ポータル製品が市場に登場していますが,Webサービスをサポートした製品はまだまだ少ないように思います。こうした機能は,CAにとってアドバンテージになるのでしょうか。
ハルトマン 他社の宣伝は,私の仕事ではないのですが……(笑)。現在,多くのベンダーが企業ポータル製品で,Webサービスを対応することを表明し,実際に幾つかの製品が市場に登場しています。このような製品群の中で,Webサービス技術のけん引役となっていくのは,やはりIBMやサン・マイクロシステムズなどの企業になるでしょう。
それでは(IBMやサンなどに比べ),CAがどのような分野でユニークかと言えば,われわれの製品群では,Webサービス環境だけでなく,マイクロソフトの.Net環境も同時にサポートできるということです。IBMやサンのWebサービスでは,Javaしかサポートされませんが,われわれのWebサービス戦略では,J2EE Webサービスも.Net Webサービスも両方サポートできる点が競争優位な点です。
ほかのベンダーの製品は,どちらかのWebサービスを選択することが必要になりますが,CAの製品群を利用することでユーザーは,柔軟性の高いWebサービス構築が可能になります。
ZDNet J2EEや.Net対応だけでなく,WindowsやLinuxからメインフレームまで,プラットフォームをサポートできることもCAの強みのような気がしますが。
ハルトマン その通りです。CAでは,ユーザーはプラットフォームに縛られることなく,柔軟なシステム構築ができることが必要だと信じています。ですから,ハードウェアだけでなく,データベースやアプリケーションサーバ,Webサーバなどのミドルウェア,OSなどあらゆるプラットフォームに対し,オープンであることが必要であり,それを提供できることがCAの強みなのです。
ZDNet あらゆるプラットフォームに対して,オープンであることをCAが実現できるのはどのような理由からですか。
ハルトマン 2つの理由があります。1つは,CAの企業理念という理由です。CAという会社の本質を,煮詰めて,煮詰めて,煮詰めていくと,「インテグレーション(統合)」というエッセンスが残ります。この統合というエッセンスは,さまざまなハードウェア,OS,ソフトウェアなどがある中で,プラットフォームが何であるかに関わらず,柔軟に統合できるソリューションを提供するという意味です。この企業理念に基づき製品が開発されているからこそ,われわれの製品群はあらゆるシステム環境に対してオープンなのです。
もう1つの理由は,技術的な側面ですが,CAの製品開発には,JavaやXML,HTMLなど,常に業界標準の技術を採用しているということです。標準技術の採用により,さまざまなプラットフォームに対応することが可能になります。また,アーキテクチャも重要で,CAの製品群はすべて,「CAコモンサービス」と呼ばれる基盤の上に構築されています。
CAのソリューションは,すべてこのCAコモンサービス上に実現されているので,レゴブロックを組み立てるように,柔軟に必要なソリューションを実現することが可能になります。これにより,パーベイシブなデバイスへの対応をはじめ,パーソナル化やコラボレーション環境,ユーザーコミュニティなど,長期的な展開が可能になります。
ZDNet CAが今後Webサービス戦略をどのように展開していこうと考えているのでしょう。
ハルトマン 短期的には,CleverPath Portalの新製品により,Webサービス戦略を拡大していくことが目的です。さらに,中長期的な展開としては,次世代のポータル技術の展開を考えています。次世代ポータル技術では,さらに多くのプラットフォームやデバイスをサポートしていくことになるでしょう。
次世代ポータル戦略では,ユーザーが必要な情報を,いつでも,どこからでも,どんなデバイスからでも取り出せる「情報のパーソナル化」が可能になります。これにより,すべてのユーザーコミュニティが容易にコラボレーションできる環境が実現し,ビジネスのやり方が大きく変化すると思います。
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[山下竜大 ,ITmedia]

