柔軟性を売りに浮上するネットワークプロセッサ
| 【海外記事】 | 2002.5.07 |
5月6日,7日にかけて,NetWorld+Interop 2002 LasVegas(N+I 2002 LasVegas)の会場にて「ネットワークプロセッシングサミット」が開催されている。米インテル,米IBMなどがスポンサーとして名を連ねている。
これまでネットワーク機器の世界では,ソフトウェアベースの処理からASICを用いたハードウェアベースの処理へのシフトが主流となってきた。最大の理由はパフォーマンスである。現に,エクストリーム・ネットワークスやジュニパー・ネットワークスなど,パフォーマンスを前面に押し出しているベンダーのネットワーク製品は,ほとんどがASICベースだ。
だが,VoIPやセキュリティなど,求められるサービスが多様化する中で,ASICに代わり,ネットワークプロセッサの柔軟なアーキテクチャを利用しようという動きが高まってきた。ソフトウェアとCPUに頼るよりも処理速度は高く,また新しいサービスやプロトコルの追加にはASICよりも速やかに対応できるというのがその根拠だ。
ASICとネットワークプロセッサ,どちらを取るか,今の時点で結論を出すのは時期尚早だろう。また,現在でもソフトウェアベースのネットワーク機器が立派に利用されていることから,結局はコストパフォーマンスと機能などを考慮して,ソリューションごとに使い分けることになるのが妥当だ。
ただ,N+I 2002 LasVegasに合わせて,ネットワークプロセッサ関連の発表が増加していることは事実である。
例えば米ティッピングポイント・テクノロジー(ティッピングポイント)は,米アギアシステムズのネットワークプロセッサ「PayloadPlus」を同社のセキュリティアプライアンス製品「UnityOne」に採用したことを発表している。
ティッピングポイントの「Threat Suppression」エンジンとPayloadPlusを組み合わせることにより,UnityOneでは2Gbpsのパフォーマンスを維持しながら,ファイアウォール/VPNと不正侵入検知,脆弱性検査というセキュリティ機能を実現するという。
また,米エクセラレイテッドは,10Gbpsのパフォーマンスを実現するネットワークプロセッサ「X10」を発表した。合わせてデュアルポート用の「X10d」と4ポート用の「X10q」もリリースしている。同社はまた,MPLSやIPv6対応のアプリケーションを開発するための開発ツールも提供していくという。
なお,5月7日から開催される展示会では,今年新たに「エンベデッドネットワーキングテクノロジー(組み込みネットワーク技術)」ゾーンが設けられ,チップセットやネットワークプロセッサ,組み込み用ソフトウェアツールキットなどが紹介される予定だ。
関連リンク
NetWorld+Interop 2002 LasVegas
[ ITmedia]
