10GbEの相互接続はほぼOK,次の挑戦はXAUIインタフェース
| 【海外記事】 | 2002.5.08 |
5月7日より開催されているNetWorld+Interop 2002 LasVegas(N+I 2002 LasVegas)の展示会では,10ギガビットイーサネットアライアンス(10GEA)によって,10ギガビットイーサネット(10GbE)の相互接続デモンストレーションが行われている。
InteropNet Labs(iLabs)で取り上げられている無線LANセキュリティやMPLS,iSCSIは商用利用にはまだ早いレベルの技術だが,10GbEは現に,大学や研究機関での導入が始まっている。
10GEAの担当者によれば,過去数度の相互接続試験を経て,異なるベンダーの機種でも,ほぼプラグアンドプレイで相互接続が可能になっているという。また,N+I 2002 LasVegasのインフラとなっているInteropNet Event Network(eNet)でも10GbEがバックボーンとして利用されており,こちらも問題なく稼動中だ。
![]() |
| 10GbEはプラグアンドプレイに近づいたという |
本来この時期には標準化が完了する計画だったことを考えればそれも納得だ。10GEAによれば,当初今年3月に標準化の予定となっていたIEEE802.3aeは,来月にも批准される見込みという。
「過去のデモンストレーションは,標準化に向けた技術的な検証が目的だったが,今回は,商用利用を見据えての相互接続デモだ。相互接続性も,A社とB社が話し合い,それにC社,D社が加わるといった具合で,回を重ねるごとに確実に向上している」と,10GEAのデモ担当者は述べている。
10GEAのブースには,シスコシステムズやエクストリームネットワークス,ファウンドリネットワークス,ノーテル・ネットワークスなどが参加し,映像配信などのデモンストレーションを行った。アジレント・テクノロジーズやスプリエント・コミュニケーションズなどのテスト機器を含めると,総計13社,19機種が参加している。
10GbEの導入状況を見ると,当初は早く普及すると見られていたメトロエリアよりも,実際には大学や研究機関,政府機関のほうが進んでいるのが実情だ。
だが先ほどの担当者はさらに「今の時点ではコストが最大の課題になっているが,いずれ解決できると考えている。今後,デスクトップが1Gbpsで接続するようになれば,サーバやバックボーンは10GbEにならざるを得ないだろう。こうして製品が普及すれば,自然とコストも下がる。過去にもこの世界であったことだが,“今日はだめでも,明日はOK”ということだ」とコメントした。
むしろ今後の焦点は,802.3aeで定義された7つの仕様の違いを吸収する,XAUIインタフェースのほうだ。XAUIは,ギガビットイーサネットにおけるGBICの役割を果たす技術。これが標準化に至れば,異なる物理インタフェースの10GbEを,XAUI経由で1つの機器に収容することができる。
XAUIはまだ仕様策定作業の最中だが,10GEAのブースでは,インテルやインフィニオン・テクノロジーズ,マインドスピードといったチップベンダー12社が参加し,チップレベルでの相互接続デモを行った。今回は10GBASE-LR,10GBASE-ER,10GBASE-SR,10GBASE-LW,それに10GBASE-LXの相互接続が試されている。
関連リンク
NetWorld+Interop LasVegas 2002
[高橋睦美 ,ITmedia]

