エンタープライズ:トピックス 2002年5月09日更新

ネットワークの視覚化を実現するファウンドリーの「JetScope」

 米ファウンドリーネットワークスは米ラスベガスで開催中のNetWorld+Interop 2002 LasVegas(N+I 2002 LasVegas)に合わせて,「JetScope」を発表した。

 JetScopeは,スイッチネットワーク上を流れるあらゆるトラフィックを可視化し,ネットワークが今どういった状況にあるかを把握するためのソリューション。他のスイッチやネットワーク機器には見られない,ユニークな機能だ。

 これは,同社の独自ASIC「JetCore」にビルトインされた機能と,トラフィックモニタリングのための仕様であるsFlow(RFC3176),それに同社のネットワーク管理アプリケーション「IronView」を組み合わせて実現されている。

 JetScopeでは,各ポートを流れるすべてのトラフィックの情報を収集し,自動的にIronViewへと送り出す。これにより管理者は,「今ネットワーク上で何が起こっているかを完全に把握できる」(米ファウンドリーネットワークスのプロダクトマーケティングディレクター,マーシャル・アイゼンバーグ氏)。

「パフォーマンスと高いポート密度を通じて高い投資効果を実現することに注力している」と言うアイゼンバーグ氏。後ろに見えるのが,おそらく世界初となる,BigIron 15000を用いた「15×10GbE」デモだ

 JetScopeでは,MACアドレスやVLAN IDなどのレイヤ2レベルの情報,IPアドレスをはじめとするレイヤ3の情報,さらにそれ以上の層,つまりレイヤ4-7のアプリケーションに関する情報をすべて収集できるほか,xRMONにも対応している。また,ハードウェアASIC上で実現されていることから,10Gbpsといった高速なトランスポートでも,確実に情報を把握できる。

 対応するのは同社の「FastIron 400」「同800」「同1500」と,「NetIron」のMetoroLinkモジュールだが,sFlowに対応した製品であれば,同様に情報の収集が可能と言うことだ。

 アイゼンバーグ氏は,「現在の複雑化したネットワークで何が起こっているかを把握する手段がなかったが,JetScopeはそれを実現する。これにより,ネットワークを視覚化し,ネットワーク管理をずっと容易なものにできる」と述べている。

 同氏によれば,特に経済が冷え込んでいる現在,顧客はネットワーク投資にも厳しい目を向けるようになっており,“いったいなぜその投資が必要なのか,本当にこのアップグレードは必要なのか”が問われることも多いという。

 これに対し,JetScopeによってネットワークの現状を把握する手段を提供することで,顧客は,今後どういったネットワークデザインが必要になり,どう改善していけばいいかを理解できる。ひいては効率的な投資と容易な管理を実現できると同氏は述べている。

 ファウンドリーはまた,自社ブース内でさりげなく,高密度の10GbE収容デモンストレーションを行っている。

 同社は既に,10GbEモジュールを市場に提供済み。今回のデモは,米スプリエントと協力して行っているもので,BigIron 15000に10GbEを14ポート,さらに8ポートのギガビットイーサネットを収容して稼働させている。実際に,345Mppsという処理速度で稼動中だ。ここまで高密度の10GbE収容を実現しているものは,まず他にないと同社は説明している。

関連リンク

▼NetWorld+Interop LasVegas 2002

▼米ファウンドリーネットワークス

[高橋睦美 ,ITmedia]