エンタープライズ:トピックス 2002年5月09日更新

3年後を見据えてブレードサーバ向け「BIG-IP」を実現したF5ネットワークス

 米F5ネットワークスはNetWorld+Interop 2002 LasVegas(N+I 2002 LasVegas)にて,ブレードサーバ向けの「BIG-IP Blade Controller」を発表した。

 これは,同社がハードウェアの形で提供している「BIG-IP」アプリケーションスイッチの機能を,ブレードサーバ向けに特化したソフトウェアとして提供するもの。既にヒューレット・パッカード(コンパックコンピュータを含む),RLXテクノロジーズのほか,富士通,デルコンピュータなどが,BIG-IP Blade Controllerを自社のブレードサーバに組み込んで提供することを計画している。最初の製品は6月以降登場する予定だ。さらに,サン・マイクロシステムズやIBMとの間でも,同様の話し合いが進んでいるという。

BIG-IP Blade Controllerの搭載を表明したRLXテクノロジーズのブレードサーバ

 このようなブレードサーバ向け製品を提供する理由を,米F5ネットワークスのプロダクトマネジメントディレクター,エリック・ギーサ氏は次のように語っている。

「ブレードサーバは,次世代のコンピューティングプラットフォームになる。半年後,1年後は無理でも,3年以内には確実にそうなる。高い処理能力を備えた高価なサーバを1台導入するのと,複数のブレードサーバを比べると,パワーの面でもコスト面でも,またスペースからいってもブレードサーバが有利だ」(同氏)

 また現在,大規模なネットワークを効率的に,安全に運用するには,ルータとサーバの間にファイアウォールやキャッシュ,負荷分散のための機器を配置する必要がある。だが,このアーキテクチャではネットワークが非常に複雑になってしまう。

 F5ネットワークスでは,BIG-IP Blade ControllerによってブレードサーバにBIG-IPの機能――負荷分散やトラフィック管理,SSLアクセラレーションなど――のほか,EDGE-FXのキャッシュ機能を直接搭載することにより,外部回線とサーバの間をぐっとシンプルにするという。BIG-IP Blade Controllerにはまた,接続されれば自動的に設定を行うための機能も搭載されているため,管理も容易だという。

「BIG-IP Blade Controllerによって,サーバとハードウェア,アプリケーションが一体になる」(ギーサ氏)

 さらに同社は,iControl APIとSDKを提供し,ブレードサーバ上のアプリケーションが直接,トラフィック管理機能と統合した形で動作し,効率的に負荷分散などを行えるようにする計画だ。例えば.NET対応アプリケーションやOracle9iなどとの統合を視野に入れているという。

 ギーサ氏は,「確かになぜ今,ブレードサーバなのかと思われるかもしれない。しかし,数年前に初の製品を投入したときもそうだが,F5ネットワークスは常に次のトレンドを予測しながら製品を投入してきた」と述べたうえで,ブレードサーバによってWebアプリケーションに革命的な力を与えることができると語っている。

関連リンク

▼NetWorld+Interop LasVegas 2002

▼米F5ネットワークス

[高橋睦美 ,ITmedia]