| エンタープライズ:トピックス | 2002年5月09日更新 |
ドーセントCEO来日,「e-ラーニングによる社員教育で戦略的に競争力強化を」
e-ラーニングプラットフォーム大手の米ドーセントのCEO,アンドリュー・エッカート氏と,シニアプロダクトマネジャーのサム・パテル氏が来日し,同社のe-ラーニングソフトウェアによる米国および日本における経営戦略について話した。また,日本法人の社長に就任した村上憲郎氏にも話を聞いた。
ドーセントは,e-ラーニングによる企業の社員教育プラットフォーム「Docent Enterprise 6.0」を提供している。同製品は,トレーニングを受けるユーザーのコンピテンシーとスキルから学習アクティブティをリンクさせることが特徴。AICCやSCORMなどの規格にも準拠しているため,サードパーティー製のものを含めたさまざまなコンテンツと互換性があることで,どの業種でも柔軟かつ詳細なe-ラーニングプログラムを設定することができる。
ZDNet 米国のIT市場の景気動向についてどう考えますか?
エッカート ここ数年はほとんどのIT企業の株価は下落し,産業全体のITへの支出は低下しています。しかし,我々の製品は,(従来のe-ラーニング製品とは異なり)実ビジネスの問題点の解決にフォーカスしていることで,利用する企業は投資を回収することができます。「実ビジネス」とは,例えば,自社の新製品の販売戦略や,既成の状況に新社員を順応させることなどが挙げられます。
ZDNet e-ラーニングを日本に導入するに当たって,日本の企業文化をどのように考えていますか?
エッカート 日本の企業文化も,実績や努力ベースの評価,社員の個別化が進んで来ています。個人が評価単位となるe-ラーニングによって,責任の所在がはっきりしてくるでしょう。我々の製品は企業にとって,「ほしい」のではなく「必要な」機能です。
村上 終身雇用と年功序列賃金が崩壊した今,企業は優秀な社員を自社に引き止めておくためのシステムを失いかけています。社員のモチベーションを保つためには,社員が自分のマーケットバリューを高めることができる環境を会社が提供する必要があります。もちろん,転職されてしまう可能性もあるので,企業の利益からすればジレンマではあります。
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| 来日したエッカートCEO(左)とパテル氏,日本法人社長の村上氏(中) |
ZDNet Docent Enterpriseを利用することのメリットは何ですか?
エッカート 主なものを挙げると,PowerPoint形式のファイルをはじめ,さまざまな形式のファイルを,すぐにe-ラーニングのコンテンツとして配信できることです。また,コンテンツ制作者が地理的に分散していても,1カ所に集まることなく行えることです。これにより,人の移動にかかる経費などさまざまなコストの削減につながります。
ZDNet Docent EnterpriseをIT業界で注目されているWebサービスとして公開すると面白いと思うのですが?
パテル J2EEベースのWebサービスとして公開する準備をしています。
ZDNet Docent Enterpriseの導入事例を挙げてください
エッカート 米国の通信会社のシングラー・ワイヤレスが3500に上るフランチャイズ向けに,新しい携帯電話のサービス開始のための従業員教育を行いました。われわれのe-ラーニングプラットフォームを利用したことでたった数日間で済ませることができました。もし,ほかの方法で行ったら,おそらく2カ月間はかかっていたでしょう。
ZDNet コンテンツにはどんなものがありますか?
エッカート 各業種の特定業務向けのものなどさまざまなものがあります。デジタルシンク,ネットジー,スキルソフト,スマートフォースなどのサードパーティーの製品も,対応コネクターを利用して提供することができます。
村上 日本では,スキルソフトはリクルートが,ネットジーはウイルソンラーニング,スマートフォースはNTT-Xなど,続々と日本語へのローカライズに名乗りを上げています。
ZDNet 村上さんは2001年8月までノーテルネットワークスの社長を務めていたそうですが,ドーセントの社長に就任した理由は何ですか?
村上 ノーテル時代にITバブルを過ごしましたが,そのときもインターネットにお金を払う者がいませんでした。そのせいで,世界中の通信キャリアはおかしくなっています。そこで,友人から就任の紹介を受けたとき,e-ラーニングはユーザーがインターネットにお金を払うコンテンツではないかと考えたのです。「リベンジ」ですね(笑)。
ZDNet 製品を販売する上でのチャネルについて教えてください
エッカート アクセンチュアやプライスウォータハウス・クーパース,NEC,CSKなどとパートナーシップを持っており,これらのパートナーのシステムインテグレーションを通じての販売が主なチャネルになっています。
関連リンク
[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

