エンタープライズ:トピックス 2002年6月12日更新

オラクルが中国版OTNスタート、一気に登録者25万人へ

 オラクルは6月12日、中国で開催中の「Oracle World 北京 2002」でOracle Technology Network(OTN)の中国語サイトを開設したことを明らかにした。

 Oracle9iのマーケティングとOTNを統括するレネ・ボンバーニ副社長は、「Java、XML、Linuxにフォーカスし、Webサービスではナンバーワンのリソースにしたい」と話す。既に英語バージョンに6万5000人に上る中国のデベロッパーが登録している。中国語によるサービスの開始によって6カ月以内に、日本語サイトの12万人を大きく上回る25万人まで拡大できるとオラクルでは期待している。

「スモーレスラー」として日本のデベロッパーにも知られるボンバーニ氏

 実質的な開幕日となった12日の朝、キーノート会場となった北京のケリーセンターホテル(嘉里中心飯店)では、キックオフのプレスブリーフィングが行われ、発表の目玉として中国語版OTNの開設が紹介された。

 これまでにもデベロッパーリレーションを担当していたボンバーニ副社長は、オラクルは製品だけでなく、スキルセットにも多大な投資をしてきたとし、教育とサポートが一体となり、デベロッパーとオラクル、あるいはデベロッパー同士がコミュニケーションを図り、情報を共有できる「エコシステム」を中国市場にも提供したいと話した。

「4年前、われわれがOTNをスタートさせたときは、インターネットコンピューティングとJavaがメインストリームになり、一方、マイクロソフトのクライアント/サーバやVisual Basicに陰りが見えてきたころだった。今は“XML”と“Linux”の波がきている」(ボンバーニ氏)

 XMLをベースとするWebサービスは、アプリケーションの統合や企業間のコラボレーションのための、新しいアプローチとして、多くの企業が投資している。

 ボンバーニ氏は「Webサービスはオラクル1社だけの技術ではなく、マルチベンダーだが、われわれはOTNをWebサービスにおいてもナンバー1のリソースにしたい」と話す。

 オラクルにとっては、Java、XML、そしてLinuxのデベロッパーが増えることで、OracleデータベースやE-Business Suiteの導入が促進されるという好循環をつくりだすことが狙いだ。

「Java、XML、そしてローコストなサーバを構築できるLinuxは中国市場にとってパーフェクトな組み合わせだ」とボンバーニ氏。

 OTNは、日本版や韓国版でも既にスタートしており、世界では240万人のデベロッパーが登録している。

[浅井英二 ,ITmedia]