エンタープライズ:ニュース 2002/07/02 21:36:00 更新


メルコ、フリーホットスポット拡大へ「導入キット」を発表

メルコは7月2日、無線LANのアクセス拠点として注目を集めているホットスポットの拡大を支援すべく、「FREESPOT導入キット」を発表、併せて「FREESPOT協議会」も発足させた。パソコンやネットワークの専門知識がない事業主も想定し、「訪問設定サービス」もバンドルする。

 メルコは7月2日、無線LANのアクセス拠点として注目を集めているホットスポットの拡大を支援すべく、「FREESPOT導入キット」を発表、併せて「FREESPOT協議会」も発足させた。

 オフィスと家庭のブロードバンド化が進んでいるが、いつでもどこでもアクセスできるユビキタスネットワークを実現するには、802.11bなどの無線LANが利用できるホットスポット、中でも公共施設やホテル、飲食店を中心とする無償のホットスポット(いわゆるフリーホットスポット)が重要な役割を担うとみられている。

 メルコでは、こうしたフリーホットスポットを一気に全国規模で拡大すべく、FREESPOT仕様の無線LANアクセスポイントをベースとした導入キットを新たに用意する。メルコのFREESPOT仕様とは、通常のアクセスポイントとは違い、Privacy Separator機能、Popup Technology機能、そしてAccess Time Control機能が追加されている。こうした機能を使うことで、無線クライアント間の通信を禁止することでプライバシーを守ったり、初回アクセス時に任意のホームページをポップアップ表示させてお店の商品やサービスを売り込んだりできるという。

 また、パソコンやネットワークの専門知識がない事業主も想定し、「訪問設定サービス」もバンドルするほか、フリーホットスポットであることを告知するポスターやステッカー、利用者に接続方法を説明するスタンド式のガイドなども含まれ、価格は3万9800円。既にアクセスポイントを導入済みの事業主には、のぼりやポスターなどをセットにした「FREESPOTサポートキット」も用意する。こちらは4800円。

 メルコでは、FREESPOTを広く認知してもらえるようFREESPOT協議会も発足させている。当初、コンパックコンピュータ、シャープ、東芝、松下電器産業、JENS、および日本テレコムが参加し、メルコが主幹事会社となる。既に専用ホームページを開設しており、導入事例やFREESPOTマップも掲載している。

オフィス向けソリューションも

 ホットスポットが普及してくると、外出先でもオフィスにいるのと同じように仕事ができる環境が整ってくるが、セキュリティ面での不安がつきまとう。メルコでは、社内および社外の双方でユビキタスネットワーク時代のビジネススタイルを提案する「BAO」(BUFFALO Anywhere Office)コンセプトを提唱する。

 無線LANを配備したがセキュリティ面の不安から、使用を凍結してしまった企業は多いし、そもそもWEPによる無線の暗号化を行わずに使っているケースも多いという。

 メルコでは、IEEE802.1x/EAPとRADIUSサーバを組み合わせ、サーバ認証を行ったうえでWEPキーを配布する機能を「AirStation Pro」で提供する。接続ごとに異なるWEPキーが割り当てられるため、セキュリティは大幅に改善される。既にAirStation Proを購入済みのユーザーもファームウェアをバージョンアップすれば、IEEE802.1x/EAPがサポートできるという。

 この日、メルコは、BAOコンセプトの披露に伴い、日本ルーセント・テクノロジーとの協業も発表している。IEEE802.1x/EAPと組み合わせるRADIUSサーバは、ルーセントからOEMするほか、家庭やホットスポットからのセキュアなアクセスを可能にするVPNソリューションでも同社の協力を得る。

 フリーホットスポットがこうした高度なセキュリティ機能を提供するのは難しいが、有償のホットスポットでは、IEEE802.1x/EAPやVPNによってセキュリティを確保したサービスが期待できるほか、通信事業者などがRADIUSサーバを運用するモデルも考えられる。

 両社は製品を相互に供給し合いながら、ルーセントが通信事業者から大企業を、メルコはパートナープログラムを通じて大企業からSOHOに提案していくという。

関連リンク
▼メルコ
▼日本ルーセント・テクノロジー

[浅井英二,ITmedia]